ぴあから刊行中の『「あしたのジョー」COMPLETE DVD BOOK』が、話題になっています。虫プロ版の第一作が8巻で完結し、いよいよ『
あしたのジョー2』の刊行が始まりました。
『あしたのジョー』といえば、言わずと知れたちばてつやさんと梶原一騎(高森朝雄・名義)さんによる不朽の名作です。 1960年代後半から73年まで『週刊少年マガジン』に連載され、『巨人の星』(梶原一騎・川崎のぼる)と人気を二分していました。
当時梶原一騎さんは、そのほか『少年キング』に『柔道一直線』(画/永島慎二・斉藤ゆずる)、『ぼくらマガジン』に『タイガーマスク』(画・辻なおき)など、各誌でヒット作を連載していました。
梶原作品は、波乱万丈のストーリーはもちろん、どの作品とも主人公が個性的でした。ヒーローなのに完璧ではなく弱い部分を持ち、悩み傷つきながらも前進する姿が、共感を呼んでいたのです。
なかでも『あしたのジョー』は、そんな梶原さんの原作をちばさんが、さらにキャラクターの内面に深く掘り下げて描き出しました。若者の自信や屈折、そして高揚や挫折感。そんなところにも、多くの読者が魅了されたのでしょう。
アニメでは虫プロ版『あしたのジョー』、そして東京ムービーの『
あしたのジョー2』、ともに監督は出崎統さんでした。出崎さんといえば、『宝島』や『ガンバの冒険』、『エースをねらえ!』など、キャラクターのほとばしる感情を映像で描き出す名手です。
そんな出崎さんが、パート1で原作のカーロス・リベラ編の途中までで終了した後、9年を経て再び手掛けたのが『
あしたのジョー2』でした。
前作に続き、作画には名パートナーである杉野昭夫さん、そして美術の名手・小林七郎さん、撮影には高橋宏固さん、音楽には荒木一郎さんを迎え、見事に1980年代という時代に、矢吹ジョーを呼び戻してくれました。
作画だけでなく美術や撮影技術もパート1から格段に進化し、透過光やハーモニーなどを駆使しつつ光と影を見事に表現した画面は、当時最先端と思えたアニメでした。
先日、11月17日付けの『夕刊フジ』で『「
あしたのジョー2」COMPLETE DVD BOOK』の記事を見つけました。
『あしたのジョー』ファンサイトの運営で知られ、このDVDシリーズにも深く関わられているアニメーターの野口征恒さんも、“あしたのジョー博士”としてコメントされていました。
私も、当時『
あしたのジョー2』を楽しみに見ていた一人です。
このDVDシリーズで、またジョーが真っ白に燃え尽きるまで、見直したいと思います。
11月17日付け『夕刊フジ』の記事
『「あしたのジョー2」COMPLETE DVD BOOK』VOL.1
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