アニメに感謝 　　　　

　今から４０年前の１９７９年（昭和５４年）２月９日は、東映動画の『花の子ルンルン』（原作／神保史郎）がスタートした日です。テレビ朝日系で、毎週金曜日午後７時から放映されました。

　前作は、２年以上続いた大ヒット作『キャンディ・キャンディ』（原作／水木杏子　画／いがらしゆみこ）でした。当初は、東映動画もさほどのヒットは期待していなかったそうですが、蓋を開けると視聴率もよく１１５話のロングランとなりました。

　当時珍しかったのが、キャラクターデザインの進藤満尾さんが担当された、キャラクター監修という制度です。これは東映動画作品では初となるいわゆる総作画監督制でした。

　それまで東映動画作品では、第１話はだいたいキャラクターデザインを手がけたアニメーターが作画監督を務めました。そして最初の４、５話は、そのままキャラクターをチェックすることもありましたが、あとは各話の作画監督に任されるのが常でした。

　ですが、『キャンディ・キャンディ』は少女マンガであり、絵が統一されていないといけない、ということで、全話を進藤さんがチェックされることになりました。
　その流れもあり『花の子ルンルン』も、進藤さんがチーフアニメーターということで、同じく全話のキャラクターをチェックをされることになったのです。

　オリジナルのキャラクターを描かれたのは、荒木プロの姫野美智さんです。姫野さんといえば、『ベルサイユのばら』の華麗なエンディングのイラストも印象的でした。荒木伸吾さん譲りの端正な世界を、より繊細に描き出すことのできるアニメーターです。

　『花の子ルンルン』でも、第１話の作画監督は姫野さんが担当されました。以降は、ベテランの大鹿日出明さんや、鹿島恒保さん、永木龍博さん、水村十司さん、上村栄司さんたちが作画監督を担当されました。

　そもそも、ベテランアニメーターが作画監督として参加され、そのうえでキャラクターをしっかり進藤さんがチェックされていましたので、作画のバラつきも無く安定したシリーズとなっていました。

　確かに古くからのアニメファンからは、第１話の姫野さんの作画で続けて見たかったとの声もありました。ただ、ルンルンのキャラは当時としては難しく、線の一本でも違うとニュアンスが変わってしまいます。進藤さんによりキャラが統一され作画が安定していたからこそ、ファンにも支持されたのでしょう。

　犬のヌーボーとおきゃんな猫キャトー、そしてルンルンたちは世界を旅をしました。岡本茉利さんの演じるチャーミングで天真爛漫なルンルンたちに、ファンは魅了されていました。セルジュやトゲニシアも魅力的なキャラでした。

　原作者が立てられたとはいえ、アニメオリジナル企画の『花の子ルンルン』のヒットは、作画的にも後の少女アニメにも大きな影響を与えました。
　『花の子ルンルン』放映開始４０周年を祝したいと思います。


『花の子ルンルン』　　進藤満尾さんによる修正原画

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