アニメ文庫の興亡史 補遺3(34)
- 2016/10/22
- 11:06

■ハヤカワ文庫 1970年代に学生時代を送った人でしたら、ハヤカワ文庫(早川書房)はなじみ深いものでしょう。 1970年(昭和45年)に「ハヤカワSF」が創刊され、その後「ハヤカワNV」や「ハヤカワJA」などのレーベルが出されました。 当時の学生はこのハヤカワ文庫で、数多くの海外のSF作品に親しむことができました。また、半村良や眉村卓、小松左京など日本のSF作家の作品や、『スタートレック』のノベラ...
アニメ文庫の興亡史 補遺2(33)
- 2016/10/15
- 08:09

■文庫版アニメ絵本 文庫サイズの箱入りセット絵本として、本稿では代表的な二見書房のサラ文庫シリーズを紹介しました。 この形式では『まんが日本昔ばなし』が有名ですが、同時期に他社でもTBS系で放映されたアニメ作品のミニ絵本が出ていましたので、合わせて取り上げます。 TBSブリタニカからは、『まんが日本絵巻』の箱入り3冊セットの絵本が刊行されていました。『まんが日本絵巻』は児童文学の山中恒さんが監...
アニメ文庫の興亡史 補遺1 (32)
- 2016/10/08
- 10:16

■ その後の角川文庫 角川書店刊行書の項では、1987年(昭和62年)に刊行された角川文庫「ANIME BUNKO」として、『宇宙船サジタリウス』までを紹介しました。 その後も角川文庫からもアニメ関連文庫が刊行されていましたので、追加でご紹介します。 1996年(平成9年)2月に出版されたのは、この当時絶大なブームを巻き起こしていた『新世紀エヴァンゲリオン』関連の2冊です。「新世紀エヴァンゲリオン...
アニメ文庫本の興亡史 ㉛
- 2016/09/24
- 10:29

■ 最近のアニメ文庫事情 実はここ最近でも新たにアニメ文庫のレーベルが創刊されました。老舗の大手文芸出版社である文芸春秋が、「文春ジブリ文庫」を2014年にスタートしています。 この「文春ジブリ文庫」では、おなじみのジブリ作品をテーマに、単にアニメコミックスを文庫化するだけでなく、研究書や宮崎駿さんや高畑勲さんの著作を文庫化するなど、よりアニメスタッフたちの創作への思い、考えなどを掘り下げる本も...
アニメ文庫本の興亡史 ㉚
- 2016/09/17
- 09:13

■ ライトノベルの台頭 ライトノベルのレーベルが各社から出始めたのは、1980年代後半くらいだったようです。人気マンガ家やアニメーターを挿画に起用し、若い読者と年齢の近い著者が執筆したSFやファンタジー小説は、この前後くらいから人気となっていました。 ゲームやマンガに子どもの頃より親しんできた読者にとって、マンガのように軽く読める小説は歓迎されたのです。 このジャンルを総称していつしかライトノベル...