国際映画社が駆け抜けた時代(その7)
- 2014/05/31
- 09:10

国際映画社といえば同社作品中一番のロングシリーズとなった、1983年(昭和58年)に放映開始された『亜空大作戦スラングル』も外せないでしょう。 いきなり第1話では潜入した監獄内で際どいセクシーショーを始めてしまうという異色のヒロイン、セクシーや、おかっぱ頭の冷静沈着なリーダー、キャプテン・チャンス、直情径行型で単細胞なヒーロー、ジェット、どんな人物にも変幻自在に変装できるマジシャンなど、個性的...
国際映画社が駆け抜けた時代(その6)
- 2014/05/25
- 06:23

国際映画社の“J9シリーズ”3作目となった『銀河疾風サスライガー』では、海外発注ルートはそのままでしたが、制作体制は自社スタジオ主導にシフトしたようです。 原画も、国内で作画する回も入ってきました。オープニングも前二作のグレードに比べると普通に戻ったかもしれません。 こちらは本編の作品世界に合っており、機関車発車音で始まるような明るく軽快な曲は、『サスライガー』にふさわしいオープニングでした。ギタ...
国際映画社が駆け抜けた時代(その5)
- 2014/05/24
- 10:25

メインキャラクターとゲストキャラクターのイメージがあまりに違い過ぎた『銀河旋風ブライガー』でしたが、そのままにしていると作品世界の展開にも支障が出ると、さすがに制作側も考えたのでしょうか。 『ブライガー』のシリーズ中盤には、物語の鍵を握る人物となるヌビアコネクションの若き盟主となるカーメン・カーメンが登場しましたが、そのデザインをメインキャラクターをデザインした小松原一男さんに依頼しました。 ...
国際映画社が駆け抜けた時代(その4)
- 2014/05/18
- 10:34

『銀河旋風ブライガー』に登場するサブキャラクターに対する違和感は、色指定にもありました。 メインであるJ9メンバーたちは格好良く決まっていたのですが、各話に登場するゲストキャラや敵のロボットやメカになるとみんな沈みがちな単調な色彩で、それぞれ作品世界に合っているとは決してお世辞にも思えませんでした。 これは、どうやら当初は、絵コンテを日本側の演出家が克明に描き、それを受け取った現地の作画監督が絵...
国際映画社が駆け抜けた時代(その3)
- 2014/05/17
- 09:21

1981年(昭和56年)10月には、実質東映動画制作による『ハニーハニーのすてきな冒険』(原作/水野英子)が始まります。この『ハニーハニーのすてきな冒険』はチーフディレクターは白土武さんと新田義方さんで、シナリオには辻真先さんと雪室俊一さん、三宅直子さんという豪華メンバーが揃っていました。 作画監督としても白土さんのほか、東映動画作品の重鎮・大工原章さんも参加されました。そして大工原さん率いるスタ...
国際映画社が駆け抜けた時代(その2)
- 2014/05/11
- 08:40

1979年(昭和54年)4月に葦プロと共同でテレビシリーズ『くじらのホセフィーヌ』を製作したのが、そもそも同社のテレビアニメ参入のスタートだったようです。 元々スペインのホセ・マリア・サンチェス・シルバによる有名な児童文学だった同作のアニメ化を考えたのが、プロデューサーだった壷田重夫さんでした。ここで、それまで『ブロッカー軍団Ⅳマシーンブラスター』などの葦プロ作品を企画・文芸面で支えてこられた山...
国際映画社が駆け抜けた時代(その1)
- 2014/05/10
- 09:56

国際映画社という名を耳にすると、あの当時アニメファンだった方は、今もちょっとした懐かしさを感じられるのではないでしょうか。 『銀河旋風ブライガー』でおなじみの「J9シリーズ」、『魔境伝説アクロバンチ』、『亜空大作戦スラングル』、『超攻速ガルビオン』などの巨大ロボットアニメ。 吾妻ひでおさん原作の『おちゃめ神物語コロコロポロン』、『ななこSOS』。『めちゃっこドタコン』や『宗谷物語』。新谷かおるさ...
忘れざる人、天馬正人先生(その2)
- 2014/05/04
- 06:42

タツノコスタジオに伺ってお話をお聞きしていくうち、お互い読書好きで、松本清張、柴田錬三郎、山手樹一郎、山田風太郎、江戸川乱歩などなど、愛読してきた作家やジャンルの好みも似ていたので読書談義にも花が咲きました。 天馬先生は時代小説はもちろんのこと、昭和33年(1958年)には描き下ろし単行本で江戸川乱歩の『妖人ゴング』や『魔法博士』もマンガ化していたくらいのミステリー好きでいらっしゃいました。 私...
忘れざる人、天馬正人先生(その1)
- 2014/05/03
- 09:47

アニメーション関係の会やイベントに関わらせていただく機会も割と多いのですが、そんな時によく尋ねられることがあります。 「アナタは、一体何者ですか?」と。 この質問をされると、自分でも本当に困ってしまいます。私は子どもの頃から好きだったテレビアニメやマンガをずっと忘れられず、探求し続けてきただけですが、いつしかそれがライフワークのようになっていました。 そんな私ですが、これまでたくさんの方々のご好...