アニメ文庫本の興亡史 ④
- 2016/03/27
- 07:59

■ソノラマ文庫(朝日ソノラマ) その3 「ソノラマ文庫」では、1977年(昭和52年)スタジオぬえの高千穂遥さんによる書き下ろし長編『クラッシャージョウ 連帯惑星ピザンの危機』を出版しました。「クラッシャージョウ」は以降、ソノラマ文庫の人気シリーズとなります。 この作品の挿絵は、『勇者ライディーン』や『機動戦士ガンダム』でおなじみの安彦良和さんが手掛けていました。人気アニメーターに小説の挿絵を依頼...
鷺巣政安さんの一代記 『アニメ・プロデューサー 鷺巣政安』いよいよ刊行!
- 2016/03/26
- 09:14

11歳にして、黒澤明監督の『姿三四郎』に子役の一人として出演。 その後、山本嘉次郎監督の『エノケンの孫悟空』に出演中の中村メイコさんと東宝撮影所で遊びまわったり、戦後『酔いどれ天使』を監督中の黒澤さんが、セットの中で劇中歌『ジャングルブギ』を作詞しているところに同席。 また出版社の別館では、缶詰中の江戸川乱歩さんの執筆する姿を見たり、会社員時代の内田康夫さんと文芸同人誌を作ったことも。色川武大さ...
『古書の街・馬好の会』に行ってきました
- 2016/03/25
- 23:49

3月25日夜に神保町で開かれた、落語家・金原亭馬好さんの『古書の街・馬好の会』にお邪魔してきました。 馬好さんの落語と漫画好きだった少年時代のお話、そしてスペシャルゲストとして『星のたてごと』や『ファイヤー!』などでおなじみのトキワ荘出身のマンガ家・水野英子さんとのトークショーと、マンガファンにはたまらない盛りだくさんの会でした。 場所は神保町の古書店内にある「ブックカフェ二十世紀」で、決して広い...
グリコのカプリコチョコ
- 2016/03/21
- 08:31

子どもの頃は、誰でもお気に入りのお菓子があったでしょう。 昭和40年代(1965年~1974年)あたりに子ども時代を過ごした私は、テレビまんがのお菓子が忘れられません。現在のようなオマケが充実したものはありませんでしたが、好きな絵がパッケージに印刷されているだけでも、魅力的に感じていました。 『鉄腕アトム』のマーブルチョコから始まって、『鉄人28号』、『遊星少年パピイ』のグリコ、『オバケのQ太郎』...
アニメ文庫本の興亡史 ③
- 2016/03/20
- 08:53

■ ソノラマ文庫(朝日ソノラマ) その2 「ソノラマ文庫」第一号となった『宇宙戦艦ヤマト』の小説版。これは初回放映されていた、1974年(昭和49年)12月と1975年(昭和50年)2月に全2巻で刊行された単行本を文庫として一冊にまとめたものでした。 創刊ラインナップの最初にこのタイトルを入れたことでも、ターゲットとして想定していたが当時のティーン読者層だったことが分かります。 しかも以降アニメブ...
二階堂黎人さんの『僕らが愛した手塚治虫 復活編』
- 2016/03/19
- 08:15

手塚治虫ファンクラブ会報『手塚ファン magazine』に連載されている、作家・二階堂黎人さんのコラム『僕らが愛した手塚治虫』の第4弾が刊行されました。 これまで、『僕らが愛した手塚治虫』と『僕らが愛した手塚治虫2』の2冊が小学館、3冊目『僕らが愛した手塚治虫 激動編』が原書房と版元は変わってきました。そして今回の『復活編』は、南雲堂からの出版となります。 『手塚ファン magazine』は購読していませんので...
アニメ文庫本の興亡史 ②
- 2016/03/13
- 07:30

■ソノラマ文庫(朝日ソノラマ)その1 元々文庫というジャンル自体は、学生向けから大人向けの作品がメインでした。それ以前の成り立ちから考えると、岩波文庫などに代表される教養文庫のような側面が大きいものでした。それが戦後、時代の変化にともない一般文芸なども出版されるようになっていたのです。 そのため、ティーン向けやマンガ系などの作品は、1970年代半ばのアニメブーム以前にはメジャーな存在ではありませ...
横内なおきさんの新作『宇宙のガズゥ』
- 2016/03/12
- 07:49

『サイボーグクロちゃん』で知られるマンガ家・横内なおきさんの久しぶりの新作『宇宙のカズゥ』が、1月に刊行されました。 アニメにもなった『サイボーグ クロちゃん』は、単なる子ども向けに面白おかしく描かれた作品ではありません。親しみやすい絵のタッチに、とぼけたセンス。明るくもドキっとさせられる、ハードで時として毒のあるストーリーが際立ってました。 始めて読んだとき、これはハードボイルド作品でもあると...
アニメ文庫本の興亡史 ①
- 2016/03/06
- 07:46

■はじめに アニメ作品を扱った文庫は、1977年(昭和52年)のアニメブーム前後に登場し、以降その市場を大きく拡げていきました。 当時の文庫のメインターゲットが、マンガやテレビアニメで育ってきた世代になりつつあったのでしょう。アニメ化されるライトノベルの人気作以外でも、現在も徳間書店の「アニメージュ文庫」や、最近では「文春ジブリ文庫」など、アニメ系の文庫はそれなりに出版点数はあります。 アニメ作品...
懐かしいCMを思い出させてくれる銅像
- 2016/03/05
- 07:13

1970年代半ば頃、毎日夕方にローカル局で放映されるアニメを楽しみにしていました。 私が住んでいた地方では、月曜から金曜の夕方16時から18時まで各局がこぞってアニメや特撮の再放送を流していました。そこで初めて見る作品や、本放送で見逃した回も見ることができ、子どもたちにとって大変ありがたい時間帯だったのです。 当時は再放送で『科学忍者隊ガッチャマン』や『ど根性ガエル』、『ルパン三世』、『マジンガ...