「なつ漫」から「なつアニ」の時代へ
- 2016/05/29
- 07:41

現在50代くらい世代のまんが・アニメファンでしたら、昭和50年代に訪れた「なつ漫ブーム」を覚えていると思います。 講談社から『のらくろ』(田川水泡)や、『冒険ダン吉』(島田啓三)が「少年倶楽部文庫」で復刻されたり、『ロボット三等兵』(前谷惟光)が講談社漫画文庫で刊行されました。桃源社からは、『地底国の怪人・魔法屋敷』(手塚治虫)、『銀星・ノックアウトQ』(山川惣治)、『黄金バット』(永松健夫)な...
アニメ文庫本の興亡史 ⑭
- 2016/05/28
- 08:29

■ 大百科シリーズとその周辺 その2 ケイブンシャの大百科シリーズ『宇宙戦艦ヤマト大百科』は、かなりのヒットだったのでしょう。翌月には即重版がかかり、その後『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち 大百科』、『ヤマトよ永遠に 大百科』など、以降の続編も出版されました。 ケイブンシャの大百科シリーズの成功を受け、他の出版社でも文庫サイズの類似シリーズ企画を刊行しました。 実業之日本社は、ボリュームも同じ厚...
『アニメ・プロデューサー 鷺巣政安』と『まんだらけZENBU75号』
- 2016/05/22
- 09:46

『アニメ・プロデューサー 鷺巣政安』(鷺巣政安・但馬オサム/著)が出版されて以来、久しぶりに鷺巣政安さんを訪ねてきました。 今年83歳になられる鷺巣さんは、昨年末より少々ご体調を崩されていらっしゃったそうです。今回、幾分快復されたご様子でほっとしました。 改めて完成した自著を振り返っていただくと、「本は出てしまったけど、まだいろんなことをどんどん思い出してくるんですよ」と笑っておられます。 「やっ...
アニメ文庫本の興亡史 ⑬
- 2016/05/21
- 06:53

■ 大百科シリーズとその周辺 その1 ケイブンシャの子ども向けの大百科シリーズで、単体のアニメ作品を初めて取り上げたのは『宇宙戦艦ヤマト』でした。 通し番号31の『宇宙戦艦ヤマト』カバーの見返しには1979年1月5日初版とありますが、確か書店に並んだのは1978年(昭和53年)の12月半ば頃だったと記憶しています。通し番号32の『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』と同時に書店に並びました。多分...
中年になったオタクの趣味とリアル生活の両立術 『中国嫁日記』
- 2016/05/15
- 08:21

十代の頃はアニメやマンガ、小説や音楽、映画、それだけがあれば満足でした。日々の生活など、まったく眼中にありませんでした。今から考えると、誰が日々の食事を作ってくれていたのか、洗濯、掃除など生活の面倒を見てくれていたのか、考えも及ばない大馬鹿者でした。 ただ年齢を重ねてくると、オタク的趣味が出来るのも、そんな日常の生活があってこそということに気づきます。 ベストセラーのコミックエッセイ『中国嫁日記...
アニメ文庫本の興亡史 ⑫
- 2016/05/14
- 09:52

■ 集英社文庫コバルト・シリーズ(集英社) その2 コバルト・シリーズのノベライズ版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(若桜木虔/著)は、書店でも売り切れ店が続出する大ヒットとなり、早いタイミングで重版されました。 さすがに版元である集英社もこの異例の売れ行きに驚き、アニメノベライズの市場が大きいことを認識したのでしょうか。翌9月に順番は逆になりましたが、第一作である『宇宙戦艦ヤマト』(若桜木...
川三番地さんのマンガ青春記『あしたのジョーに憧れて』
- 2016/05/08
- 07:27

NHKの浦沢直樹さんによる『漫勉』は、いつも話題を呼んでいます。マンガ家さんたちがどのように原稿を描いているか、その姿はとても興味深いものです。同じマンガ原稿を描いているのに、描き方がそれぞれ異なるのは、やはり皆さんがアーティストだからでしょう。 今やマンガ世代が社会のメインになり、かつての名作の誕生の周辺について知りたい人も増えています。 石ノ森章太郎さんの原稿執筆に対する姿勢は、すがやみつる...
アニメ文庫本の興亡史 ⑪
- 2016/05/07
- 10:23

■ 集英社文庫コバルト・シリーズ(集英社) その1 1978年(昭和53年)8月、アニメブームの中心となった『宇宙戦艦ヤマト』の続編、劇場版新作『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』が封切られました。 この年の6月にはアニメ専門誌『アニメージュ』(徳間書店)も創刊され、公開前から事前情報を毎号大特集していました。そして各出版社からも、ムックや関連書籍が多数発刊されるという出版ラッシュになりました。...
上井草に行ってきました
- 2016/05/05
- 07:28

先日、西武新宿線の上井草に行ってきました。 ご存知、『機動戦士ガンダム』などでおなじみ、日本サンライズ(現・サンライズ)のお膝元の地です。 上井草駅構内の看板にも、『機動戦士ガンダム』の絵が掲げられ、改札口前にはガンダムの像が建てられていました。 1970年代から80年に掛けて、日本サンライズの制作していたテレビアニメは、多くのアニメファンの支持を受けていました。 『超電磁ロボ コン・バトラーV...
アニメ文庫本の興亡史 ⑩
- 2016/05/04
- 08:00

■ 秋元文庫(秋元書房) その2 秋元文庫の『テレビまんが物語 一休さん』の装丁や挿絵は、本編画像を使用せず新たに描き下したものでした。アニメ版そのままのイラストでしたので、作画監督クラスのアニメーターが描いたように思えたのです。 本には、カバー・挿絵の担当として「ジュニオ・プロ」とだけ記されていました。この絵が良かったので、どなたが描かれたのか当時からとても気になっていました。 『一休さん』のキ...