あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その6
- 2020/08/30
- 06:30

■大田加英二デビュー (3) 天馬正人さんは、もともとは時代物が好きで、師匠である太田じろうさんのような温もりのある優しい児童マンガの世界を目指していました。 「大田加英二」というペンネームも太田じろうさんに苗字をいただき、本名を合わせて名乗ったくらいです。 この筆名は、太田じろうさんも一緒に考えてくれたものです。念のため、池袋に居た当時評判の高かった占い師に姓名判断をしてもらいに行くと、「一生仕...
たかや健二さんの『ぼくの藤子スタジオ日記』完全版
- 2020/08/29
- 06:30

外出自粛で、しばらく行けなかった神保町に先日久しぶりに出かけました。たかや健二さんの『ぼくの藤子スタジオ日記 完全版』を夢野書店で購入するためです。 古書センター2階の店舗に久しぶりにお邪魔しましたが、相変わらず店内には古書漫画やアニメ関連の商品があふれていて、なんとなくほっとしました。 このような状況下ではいろいろとご苦労もあるでしょうが、営業を続けてくれているのはありがたいことです。 目当...
『タツノコプロ デザインアーカイブ 70年代SF編』
- 2020/08/26
- 06:30

『タツノコプロ デザインアーカイブ 70年代SF編』(玄光社)が出版されました。 『科学忍者隊ガッチャマン』、『新造人間キャシャーン』、『破裏拳ポリマー』、『宇宙の騎士テッカマン』など、1970年代のタツノコSFヒーロー作品の現存する設定を3分冊に収録したものです。 『ガッチャマン』は、続編の『ガッチャマンⅡ』と『ガッチャマンF』まで掲載されています。 ページをめくって、久しぶりに『ガッチャマン...
あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その5
- 2020/08/23
- 06:30

■大田加英二デビュー (2) 昭和20年代から30年代頃には、娯楽の王様だった映画。その映画を子ども向けにマンガ化した描き下ろしの単行本は当時、各出版社から競って出版されていました。 ただ、映画作品のコミカライズは、マンガ家にとって制約の多い仕事でした。 用意されるのは、主人公の宣材スチールと脚本のみ。しかも公開に間に合わせなければならないため、執筆時間もあまりありません。 そんな中でも、「大田加...
『闇の帝王 吸血鬼ドラキュラ』 祝放映40周年
- 2020/08/22
- 06:30

1980年(昭和55年)8月19日(火曜)19時から、テレビ朝日系で『闇の帝王 吸血鬼ドラキュラ』が放映されました。前週の『マリンスノーの伝説』に続くスペシャルアニメです。 当時は、その3年前の『宇宙戦艦ヤマト』劇場公開から端を発したアニメブームも盛り上がっており、各テレビ局でもスペシャルアニメの放映が花盛りでした。 『野球狂の詩』(原作/水島新司)や、24時間テレビでの手塚治虫作品『バンダーブ...
『機甲創世記モスピーダ』展
- 2020/08/19
- 06:30

8月12日まで、中野ブロードウェイ3階にある墓場の画廊にて行われた「『機甲創世記モスピーダ』展」を見てきました。 7月31日から始まっていましたが、ようやく行くことができました。 『機甲創世記モスピーダ』は、1983年(昭和58年)10月から84年3月までフジテレビ系で放映されたタツノコプロの作品です。 バイクがロボットに変型するアーマーサイクルや、飛行機からロボットに変型するレギオスなど、アー...
あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その4
- 2020/08/16
- 06:30

■大田加英二デビュー (1) 昭和20年から30年代の日本といえば、まだ戦後間もない頃で敗戦の混乱もようやく落ち着きつつあった時代です。 この当時の「漫画」といえば、お子さま向けのジャンルでした。もちろん、インターネットどころかテレビすらまだありません。 娯楽メディアといえば、ラジオか雑誌や本、そして映画がメインです。 子どもたちもラジオドラマや本、たまに連れて行ってもらえる、映画など物語の世界...
『マリンスノーの伝説』 祝放映40周年
- 2020/08/15
- 06:30

1980年(昭和55年)8月12日は、テレビスペシャル『マリンスノーの伝説』がテレビ朝日系で放映された日です。今年で40周年を迎えます。 当時、『宇宙戦艦ヤマト』や『宇宙海賊キャプテンハーロック』、『銀河鉄道999』などで大人気だった松本零士さんの原作です。 ただ原作となるマンガ作品はなく、アニメ用に新しく考えられた企画でした。 番組タイトルにも、冠に「夏休み子どもスペシャル 松本零士・長編...
御茶ノ水に『鉄腕アトム』のマンホールが
- 2020/08/10
- 06:30

先日、御茶ノ水の歩道で『鉄腕アトム』の絵に出会いました。 御茶ノ水から明大通りを駿河台下に向かって歩くと、明治大学の建物前に「御茶ノ水博士」と「アトム」がそれぞれカラーで彩られたマンホールのふたがあったのです。 これは、今年の2月から設置されそうです。 御茶ノ水といえば、『鉄腕アトム』ではアトムたちが通う小学校が“お茶ノ水小学校”でしたし、アトムを見守る父親的存在はお茶の水博士でした。 その縁もあ...
あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その3
- 2020/08/09
- 06:30

■マンガからアニメへ 天馬正人さんは原稿を描くスピードも速いことで知られていました。そのため、当時の人気作だった桑田二郎さんの『月光仮面』や、堀江卓さんの『天馬天平』などの、手伝いにも借り出されていました。 ご自身の作品の執筆の傍ら、締め切りを多数抱え多忙だった桑田さんや堀江さんの人気作の手伝いもしていたのです。各社の編集者からも、頼りにされていました。 ただ少年マンガ雑誌はそんな月刊誌全盛の...