1977年の出版ラッシュ④
- 2015/03/07
- 08:51
■『文芸春秋デラックス10月号 アニメーションの本』
1977年9月には、『宇宙戦艦ヤマト』のヒットにより出版界もブームの波を察知したのか、なんと大手文芸出版社からも、アニメの関連ムックが出ました。
『文芸春秋デラックス10月号(NO.42) アニメーションの本』(文芸春秋刊)です。
『文芸春秋デラックス』は1974年(昭和49年)に創刊された大人向けのムックのシリーズでした。
そもそもは『日本軍艦戦記』や、『目で見る昭和史 決定的瞬間』など、『文芸春秋』本誌の臨時増刊として写真を多用したビジュアル雑誌をその前年に成功させたのが始まりでした。釣りや、自動車、競馬、プロ野球などをテーマにそれまでも出ていたようですが、大人向けの内容でしたので、それまではその存在をまったく意識していませんでした。
それが、本屋の大人向けの雑誌の棚に、銀色をバックにポパイの大きな絵が表紙になって、面出しでささっていたのです。気になり手に取りましたが、記事は実験作品やディズニーやワーナー、そのほか東欧などの海外作品などアニメーションというジャンルを全般的に幅広く取り上げていました。
送り手側もこの「アニメブーム」が、テレビアニメを好むティーンが中心に起こっているということを、まだ掴みきれていなかったのでしょうか。もしかしたら、この機会にアニメーションというジャンルを広く啓蒙しようという考えもあったのかもしれません。
私には、一番欲しかったテレビアニメのページが少ない感じがしました。もちろん手塚治虫さんの構成ということで、虫プロやテレビアニメの記事もありました。ただ全体からするとボリュームもある程度でしかなく、しかも定価も1300円と、当時の自分からするとあまりに高価すぎる本でしたので、この時は購入は諦めました。後に何年か経って、古本屋で入手することは出来ました。
この文芸春秋デラックスでは、1979年2月にも、アニメを特集した本を出してくれました。こちらは、『文芸春秋デラックス3月号(NO.59) TVアニキャラクター事典』と、完全にテレビアニメに特化した待望の本でした。
巻末の後記にも、前作の女子中高生からの反響に驚いた編集者の言葉が記されていました。やはりテレビアニメをメインにした編集へのリクエストが多かったのでしょう。
スタッフ名鑑やアニメプロダクション、アニメショップ紹介など記事も充実しており、当時のファンにはとても役立つ内容になっていました。(つづく)

銀色の地にポパイやアトムなどがいるしゃれた表紙は書店でも目立っていました
1977年9月には、『宇宙戦艦ヤマト』のヒットにより出版界もブームの波を察知したのか、なんと大手文芸出版社からも、アニメの関連ムックが出ました。
『文芸春秋デラックス10月号(NO.42) アニメーションの本』(文芸春秋刊)です。
『文芸春秋デラックス』は1974年(昭和49年)に創刊された大人向けのムックのシリーズでした。
そもそもは『日本軍艦戦記』や、『目で見る昭和史 決定的瞬間』など、『文芸春秋』本誌の臨時増刊として写真を多用したビジュアル雑誌をその前年に成功させたのが始まりでした。釣りや、自動車、競馬、プロ野球などをテーマにそれまでも出ていたようですが、大人向けの内容でしたので、それまではその存在をまったく意識していませんでした。
それが、本屋の大人向けの雑誌の棚に、銀色をバックにポパイの大きな絵が表紙になって、面出しでささっていたのです。気になり手に取りましたが、記事は実験作品やディズニーやワーナー、そのほか東欧などの海外作品などアニメーションというジャンルを全般的に幅広く取り上げていました。
送り手側もこの「アニメブーム」が、テレビアニメを好むティーンが中心に起こっているということを、まだ掴みきれていなかったのでしょうか。もしかしたら、この機会にアニメーションというジャンルを広く啓蒙しようという考えもあったのかもしれません。
私には、一番欲しかったテレビアニメのページが少ない感じがしました。もちろん手塚治虫さんの構成ということで、虫プロやテレビアニメの記事もありました。ただ全体からするとボリュームもある程度でしかなく、しかも定価も1300円と、当時の自分からするとあまりに高価すぎる本でしたので、この時は購入は諦めました。後に何年か経って、古本屋で入手することは出来ました。
この文芸春秋デラックスでは、1979年2月にも、アニメを特集した本を出してくれました。こちらは、『文芸春秋デラックス3月号(NO.59) TVアニキャラクター事典』と、完全にテレビアニメに特化した待望の本でした。
巻末の後記にも、前作の女子中高生からの反響に驚いた編集者の言葉が記されていました。やはりテレビアニメをメインにした編集へのリクエストが多かったのでしょう。
スタッフ名鑑やアニメプロダクション、アニメショップ紹介など記事も充実しており、当時のファンにはとても役立つ内容になっていました。(つづく)

銀色の地にポパイやアトムなどがいるしゃれた表紙は書店でも目立っていました
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:1977年の出版ラッシュ
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