荒木伸吾さんの想い出 その4
- 2021/11/28
- 06:30
■はじめに 4
『アニメージュ』1979年(昭和54年)7月号に掲載された特集「荒木伸吾の世界」。そこには、荒木さんがアニメ時代以前に劇画家だったことも紹介されていました。
それからは古書店をあちこちめぐって、荒木さんの昔描かれた劇画作品を探しました。中学生でしたから資金はなくとも時間だけはあります。そうして、休みになるとあちこちの古本屋さんを探し回ったものです。
昭和50年代は古本マンガを扱っている古書店は地方ではさほどなく、しかもそもそも流通量が絶対的に少なかった貸本劇画誌がある店など、滅多にありません。
せいぜい廃業した貸本屋が鞍替えした店か、その在庫を引き受けたところくらいです。
そんな中でも、薄暗い土間に紐で括られた劇画誌の中に『街』(セントラル出版)などを見つけるとお願いしてみせてもらい、荒木さんの作品が掲載されているかドキドキして探したものです。
ごくたまに見つけられると、「こんな古いマンガを探しているなんて、キミも変わってるね」なんて不思議がられつつも譲ってもらうことができました。
家で、荒木さんの劇画だとワクワクして読んでいた頃のことは、今も覚えています。多くの人に読まれた貸本は、ボロボロで汚れていました。ですが描かれた作品は新鮮で、輝きを失っていませんでした。
少しずつ荒木さんの劇画作品を読んでいくと、作品の叙情性や正義感、試練の中でも自分の生き方を貫こうとする登場人物たちの姿が分かります。
そこで、これまでのアニメ作品から受けた印象が、これらの劇画作品と変わっていないことに気づくのです。
そうして、私もますます劇画誌掲載作品への探求熱は深まります。
大学で上京すると中野のまんだらけへ毎週のように通うようになり、さらに劇画誌を探すようになっていました。
こうして、荒木作品のアニメや劇画作品への探求が、ますます深まっていったのです。(つづく)

『アニメージュ』1979年7月号(徳間書店)
『アニメージュ』1979年(昭和54年)7月号に掲載された特集「荒木伸吾の世界」。そこには、荒木さんがアニメ時代以前に劇画家だったことも紹介されていました。
それからは古書店をあちこちめぐって、荒木さんの昔描かれた劇画作品を探しました。中学生でしたから資金はなくとも時間だけはあります。そうして、休みになるとあちこちの古本屋さんを探し回ったものです。
昭和50年代は古本マンガを扱っている古書店は地方ではさほどなく、しかもそもそも流通量が絶対的に少なかった貸本劇画誌がある店など、滅多にありません。
せいぜい廃業した貸本屋が鞍替えした店か、その在庫を引き受けたところくらいです。
そんな中でも、薄暗い土間に紐で括られた劇画誌の中に『街』(セントラル出版)などを見つけるとお願いしてみせてもらい、荒木さんの作品が掲載されているかドキドキして探したものです。
ごくたまに見つけられると、「こんな古いマンガを探しているなんて、キミも変わってるね」なんて不思議がられつつも譲ってもらうことができました。
家で、荒木さんの劇画だとワクワクして読んでいた頃のことは、今も覚えています。多くの人に読まれた貸本は、ボロボロで汚れていました。ですが描かれた作品は新鮮で、輝きを失っていませんでした。
少しずつ荒木さんの劇画作品を読んでいくと、作品の叙情性や正義感、試練の中でも自分の生き方を貫こうとする登場人物たちの姿が分かります。
そこで、これまでのアニメ作品から受けた印象が、これらの劇画作品と変わっていないことに気づくのです。
そうして、私もますます劇画誌掲載作品への探求熱は深まります。
大学で上京すると中野のまんだらけへ毎週のように通うようになり、さらに劇画誌を探すようになっていました。
こうして、荒木作品のアニメや劇画作品への探求が、ますます深まっていったのです。(つづく)

『アニメージュ』1979年7月号(徳間書店)
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