荒木伸吾さんの想い出 その9
- 2021/12/26
- 06:30
何度かお会いしているうちに荒木さんから「描き続けていた作品の構想がまとまってきましたよ」と、うれしそうにお話いただきました。
自分が劇画を描いていた少年時代をメインに、ファンタジーとして描こうと思っているとは、それまでうかがっていました。
そして主人公のデザインも落ち着き、いよいよ描きおろしマンガのタイトルを『スーリール』に決められます。「フランス語で「微笑み」を意味するんですよ」とお教えいただきました。
これは後に正式タイトル『スーリール・ダンファンス』となります。
そこからはアニメーターのお仲間たちや、マンガ家・劇画家時代の大先輩であるさいとう・たかをさんにも見せに行かれました。そこで作品を読んでもらい、その反応を確かめていらっしゃったのです。
普段はあまり人にお会いになることのなかった荒木さんが、あちこちの方に見てもらいに積極的に出かけて感想を聞いていらっしゃったことからも、この作品にかける思いが分かりました。
やがてご子息の勧めで、WEB上でまず公開することに決められました。そして、その解説文やプロフィールなどを私にお願いしていただきました。
「ボクのことを分ってくれてるのが、星さんだからね。お忙しいでしょうけど、なんとかお願いしますよ」なんて言われたら、断れるハズもありません。
私も古くからのアニメファンですから、ある時「あの憧れだった荒木伸吾さんに、こんなに親しくお話をいただけるなんて、少年時代の自分に本当に教えてあげたいですよ」と申し上げたら、ちょっと黙ってから「……、そうですか」と、電話の向こうでフフフと笑っているご様子でした。
後から考えたら、荒木さんご自身も『スーリール』を執筆されている最中には、少年時代の自分といつも対話されていらしたことに気づきました。
そのこともあり、もしかしたら自分と同じだと思ってくださったのかもしれません。(つづく)

『スーリール』の構想メモから
自分が劇画を描いていた少年時代をメインに、ファンタジーとして描こうと思っているとは、それまでうかがっていました。
そして主人公のデザインも落ち着き、いよいよ描きおろしマンガのタイトルを『スーリール』に決められます。「フランス語で「微笑み」を意味するんですよ」とお教えいただきました。
これは後に正式タイトル『スーリール・ダンファンス』となります。
そこからはアニメーターのお仲間たちや、マンガ家・劇画家時代の大先輩であるさいとう・たかをさんにも見せに行かれました。そこで作品を読んでもらい、その反応を確かめていらっしゃったのです。
普段はあまり人にお会いになることのなかった荒木さんが、あちこちの方に見てもらいに積極的に出かけて感想を聞いていらっしゃったことからも、この作品にかける思いが分かりました。
やがてご子息の勧めで、WEB上でまず公開することに決められました。そして、その解説文やプロフィールなどを私にお願いしていただきました。
「ボクのことを分ってくれてるのが、星さんだからね。お忙しいでしょうけど、なんとかお願いしますよ」なんて言われたら、断れるハズもありません。
私も古くからのアニメファンですから、ある時「あの憧れだった荒木伸吾さんに、こんなに親しくお話をいただけるなんて、少年時代の自分に本当に教えてあげたいですよ」と申し上げたら、ちょっと黙ってから「……、そうですか」と、電話の向こうでフフフと笑っているご様子でした。
後から考えたら、荒木さんご自身も『スーリール』を執筆されている最中には、少年時代の自分といつも対話されていらしたことに気づきました。
そのこともあり、もしかしたら自分と同じだと思ってくださったのかもしれません。(つづく)

『スーリール』の構想メモから
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