『逆転イッパツマン』 祝 放映４０周年

　１９８２年（昭和５７年）２月１３日（土曜）夕方フジテレビ系で、『逆転イッパツマン』（タツノコプロ）の放映がスタートしました。今年で４０周年を迎えます。

　『逆転イッパツマン』は、「タイムボカンシリーズ」の第６作目です。もちろん善側と悪役三人のフォーマットは変わりません。
　今回の舞台は近未来。各時代に注文されたリース品を届けるタイムリース社と、ライバル会社シャレコウベリース社の熾烈な競争がベースとなります。
　タイムリース社の法夢ランとハル坊は、毎回リース品を依頼された時代に届けます。それを妨害するのが、シャレコーベリリーズ社のムンムンたち三悪人です。そして、ランとハル坊たちのピンチを助けるのが正義のヒーロー、イッパツマンなのです。

　企業競争ということで、今回はキャラクターの年齢も上がりました。爽やかな豪速球やイッパツマン、暗躍する隠球四郎、途中から登場の謎のヒロイン・星ハルカも魅力的でした。
　エンディングテーマの「シビビーン・ラプソディー」は当時から好きな曲でしたが、社会に出てからはより歌詞が身に沁みたものです。

　総監督の笹川ひろしさんや、天野嘉孝さんによるキャラクター、メカニックは大河原邦男さん。キャスティングも小原乃梨子さんと八奈見乗児さん、たてかべ和也さんの三悪は不動です。
　担当ディレクターは、前作『ヤットデタマン』後半から引き続き植田秀仁さんです。演出でも
前作同様に押井守（丸輪零）さんが絵コンテで参加されました。
　作画監督のシフトは『ヤットデタマン』からは変動がありました。二宮常雄さんと鈴木英二さんは前作からスライドですが、そこに新たに和泉絹子さんと井口忠一さんも加わってくれました。また『ゴールドライタン』で奮闘された、韓国の鄭雨英さんが多数回の作画監督に参加されました。
　
　『イッパツマン』で注目されたのは、やはり三悪人が始めて勝利するエピソードです。井口忠一さんの力の入った作画の３０話「シリーズ初悪が勝つ」。二宮常雄さんの３１話「登場！新イッパツマン」、和泉絹子さん作画の３２話「イッパツマンの大秘密」の３部作は当時もアニメ雑誌などで話題になりました。
　この３部作の脚本を執筆したのが、シリーズ構成の小山高生さんです。最初からストーリーの大きな流れを構築されていたからこそ出来た、ドラマチックな構成でした。

　隠球四郎や星ハルカ以外にも、シャレコウベリース社のコン・コルドー会長、そしてミンミンなど謎を秘めたキャラクターたちや、いつもに増してミステリアスな展開も新鮮でした。

　これまでの「タイムボカン」シリーズに、よりシリアスモードも増して見所満載で毎週楽しみな作品でした。



『逆転イッパツマン』原画と動画