荒木伸吾さんの想い出 その18
- 2022/03/13
- 06:30
荒木さんがアニメアワード功労賞の授賞式直前までお一人でフランスに行ってくるとお聞きしたときは、本当にびっくりしました。
ある日いきなり、「向こうの出版社に持っていくために「スーリール」の作品解説が必要なので、書いてくれますか。内容は任せますから」とご連絡をいただきました。それから3日後くらいに「もう出来ましたか」と催促され、そんなにお急ぎの話だったのかと慌てました。
急いで書き上げて翌日にお送りすると、「ありがとう。拝見しました。大満足です」と携帯からメールをくださり安心しました。
この解説を持ってエージェントと向こうの出版社で打合せしてくる、とお聞きしたときはなによりご体調が心配でした。
ですが、そのバイタリティと『スーリール』に対する荒木さんの並々ならぬ熱意には改めて感じ入っていました。
荒木さんはご病気のことも、以前からさりげなく教えてくれていました。
でも、描けば描くほどどんどんと進化していき、エネルギーがみなぎる作品になっている『スーリール』を目の当たりにしていて、こんなに早くお別れを迎える時が来るなんて思いもしていませんでした。
「ホームページに寄せられた読者へのメッセージを書きたいんだけど、どうすればいいのかねえ」と相談を受け、考えていらっしゃる内容をお聞きしてまとめると、「ありがとう。もうひとりのボクが書いたのかと思ってしまいました」と、お喜びのメールをいただいたことも、良き思い出となっています。
ある時、ふと荒木さんが会話の中で私の名前に絡めて明かしてくださったありがたいお気持ちは、心の中の宝として一生忘れることはないでしょう。(つづく)

『スーリール・ダンファンス』
1冊にまとめられた素敵な本です。
ある日いきなり、「向こうの出版社に持っていくために「スーリール」の作品解説が必要なので、書いてくれますか。内容は任せますから」とご連絡をいただきました。それから3日後くらいに「もう出来ましたか」と催促され、そんなにお急ぎの話だったのかと慌てました。
急いで書き上げて翌日にお送りすると、「ありがとう。拝見しました。大満足です」と携帯からメールをくださり安心しました。
この解説を持ってエージェントと向こうの出版社で打合せしてくる、とお聞きしたときはなによりご体調が心配でした。
ですが、そのバイタリティと『スーリール』に対する荒木さんの並々ならぬ熱意には改めて感じ入っていました。
荒木さんはご病気のことも、以前からさりげなく教えてくれていました。
でも、描けば描くほどどんどんと進化していき、エネルギーがみなぎる作品になっている『スーリール』を目の当たりにしていて、こんなに早くお別れを迎える時が来るなんて思いもしていませんでした。
「ホームページに寄せられた読者へのメッセージを書きたいんだけど、どうすればいいのかねえ」と相談を受け、考えていらっしゃる内容をお聞きしてまとめると、「ありがとう。もうひとりのボクが書いたのかと思ってしまいました」と、お喜びのメールをいただいたことも、良き思い出となっています。
ある時、ふと荒木さんが会話の中で私の名前に絡めて明かしてくださったありがたいお気持ちは、心の中の宝として一生忘れることはないでしょう。(つづく)

『スーリール・ダンファンス』
1冊にまとめられた素敵な本です。
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