感慨深いサンライズの社名変更
- 2022/03/16
- 06:30
『機動戦士ガンダム』や『装甲騎兵ボトムズ』、『鎧伝サムライトルーパー』、『シティーハンター』(原作/北条司)、『犬夜叉』(原作/高橋留美子)など、数々の作品を製作してきたサンライズ(旧・日本サンライズ)の社名が変更になるようです。
70年代のアニメブーム時、日本サンライズは数々の魅力的なオリジナルロボットアニメを手掛ける会社としておなじみでした。
元々は虫プロ出身の制作スタッフが独立し、東北新社の資金を得て創映社を興したのが始まりです。そこで『勇者ライディーン』や『ラ・セーヌの星』などの制作を経て、同社のスタジオ機能を担っていたサンライズスタジオを改組し日本サンライズを設立しました。
日本サンライズでは、東映本社の『超電磁ロボ コン・バトラーV』や『超電磁マシーン ボルテスV』、『闘将ダイモス』、『(新)サイボーグ009』(原作/石森章太郎)などの制作の傍ら、『無敵超人ザンボット3』からは自社オリジナル作品も手掛け始めます。
虫プロの経営危機を経験していた経営陣は、まずは制作費を出すスポンサーのニーズ(合体・変形メカやロボットの変形など)に応えることを第一に考えていました。
『ザンボット3』や『無敵鋼人ダイターン3』、『機動戦士ガンダム』など、その頃のスポンサーはバンダイではなく後に倒産した玩具会社クローバーでした。
このスポンサーの意向を踏まえた上で、ストーリーや作画などはオリジナルでクオリティを追求しました。そこが当時、多くのアニメファンたちから絶大に支持されていたのです。
1987年には、社名が変更されサンライズとなりました。そして1994年4月、バンダイの資本参加によりバンダイ傘下の会社となります。『ガンダム』本放映時のスポンサー、クローバーは倒産しその後ガンプラで成功したバンダイが資本参加したことは、時代の流れも感じさせられました。この時点で、同社創業以来の経営陣も株を売却して全員退くことになりました。この94年の時点で、既にサンライズの経営体制は変わっていたことになります。
そして今年2月にバンダイナムコホールディングスの発表で、2022年4月からは(株)サンライズ、(株)バンダイナムコアーツの映像部門、(株)バンダイナムコライツマーケティングを統合し、新会社「株式会社バンダイナムコフィルムワークス」となるそうです。
古くからの世代にとって旧社名である日本サンライズは、常に魅力的な新作を製作してくれる特別なブランドという印象でした。また「東京ムービー」や「東映動画」など、昔から慣れ親しんできた会社名が変わることにはどこか寂しさも感じます。
これも時代の流れなのでしょうが、これまでの作品作りに対する姿勢やクリエーター重視の社風は、今後もぜひ残していただきたいと願っています。
『機動戦士ガンダム』第9話 シナリオ
制作会社の表記は、日本サンライズです。