1982年(昭和57年)3月18日、テレビ東京系で『魔法のプリンセス
ミンキーモモ』がスタートしました。
魔法少女アニメといえば、『魔法使いサリー』や『魔女っ子メグちゃん』などそれまで東映動画作品が定番でした。そこに『宇宙戦士バルディオス』や『戦国魔神ゴーショーグン』などを制作してきた葦プロが、オリジナルの魔法少女モノを手掛けることになったのです。
原案と構成は首藤剛志さん、総監督は湯山邦彦さんで、洒落た『ゴーショーグン』の世界を創り上げたコンビが中心となりました。
キャラクターデザインは、芦田豊雄さんとみさきのあさん、服部あゆみさんです。美術監督の新井寅雄さんは、ファンタジックな世界を明るい色彩で描き出してくれました。
作画監督には
田中保さんと
上條修さんに加え、神宮慧さん、兵頭敬さん、わたなべひろしさん、高橋正宗さん、飯村一夫さんが参加されました。
それぞれが個性的な作画を披露してくれ、毎回の絵のタッチも楽しみでした。
主人公のモモには、『ゴーショーグン』レミー役から小山茉美さん。モモを見守る動物三人組のシンドブックは田の中勇さん、モチャーは木藤玲子さん、ピピルは三田ゆう子さんです。
フェナリナーサの王様と王女様は増岡弘さんと塚田恵美子さんで、キャストもベテランが揃えられ演じられる声も楽しみでした。
小山さんの明るくチャーミングなモモは、男性ファンにもかなりの人気を集めていました。
ストーリーは毎回起こる事件に、モモが魔法でプロフェッショナルに変身し解決するという流れです。本来のターゲットである少女たちの憧れの職業に変身する、というのがポイントでした。
とはいえ首藤さんの脚本・構成ですから、もちろん一筋縄ではいきません。感動ものからシリアス、ギャグ、果ては巨大ロボ・ミンキナーサまで登場するパロディ回など、様々なストーリーが描かれました。そんなバラエティに富んだ世界に、当時多くのファンも魅かれたのでしょう。
第一部のラストは、本来の最終回として想定していたとはいえ衝撃的でした。ファンタジーと思っていた世界で、いきなり重いリアルな事件がモモを襲うのです。
単にふわっとした夢の物語を享受するだけでなく、しっかりと現実に向き合い自ら理想を勝ち取っていかねばという、作り手の強いメッセージも感じました。
以降OVAや第2作なども制作されましたが、ボーマン艦長など個性的なゲストも多く登場し作画もバラエティに富んでいた第1作がやはり印象に残っています。
飯村一夫さんのミンキナーサです。
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