藤子不二雄Aさんに感謝
- 2022/04/16
- 06:30
4月7日、藤子不二雄Aさんが亡くなられました。88歳でした。
1970年代、『少年チャンピオン』で『魔太郎が来る!』や『ブラック商会変奇郎』。『少年キング』では『オヤジ坊太郎』。『少年サンデー』には『プロゴルファー猿』、そして『少年マガジン』は『少年時代』(原作/柏原兵三)と、各誌での連載を楽しみにしていました。
当時は藤子・F・不二雄さんと、まだ藤子不二雄名義で執筆しておられました。ですが、『怪物くん』や『忍者ハットリくん』など、描かれる絵柄からもこちらは安孫子素雄先生の作品だと子供心に感じてはいました。
『怪物くん』や『忍者ハットリくん』など、1970年代はなかなか新書判コミックスは入手が難しかったのですが、後にてんとう虫コミックスで刊行され喜んだものです。
元々小さい頃から、テレビアニメで『オバケのQ太郎』や『怪物くん』などを見ていたので、藤子不二雄作品はいつも身近なものでした。
『オヤジ坊太郎』は、ブルース・リーやアグネス・ラムなど、当時の人気ネタが次々と出ていました。この作品は特に好みで、大都社版や双葉社のPCコミックス版も愛読したものです。
残念ながら『オヤジ坊太郎』は終了しましたが、その後で『まんが道』が始まりました。これはうれしいことでした。
もちろん秋田書店から出ていた前作も単行本で読んでいましたが、お二人の青春時代をじっくりと描いたこの作品は特に十代の頃何度も繰り返し読んだものです。
同時期に『少年マガジン』で連載された『少年時代』も、不思議な迫力のある作品でした。戦時中の学童疎開の中で起こる人間模様や葛藤などが、読む者に迫ってきました。
高校時代から、大人向けのブラックユーモア作品も少しずつ読み始め、奇妙な味わいが新鮮でした。
『まんが道』はその後、中央公論社の「藤子不二雄ランド」で連載され、『愛…知りそめし頃に…』へと発展していきます。これまで歩まれた道を描くこの自伝的作品は藤子不二雄Aさんにとっても、ライフワークだったのでしょう。
特に『愛…しりそめし頃に…』は青年誌の『ビッグコミック増刊』での連載ということで、人生の先輩から読者世代に向けた味わい深い人生譚として教えられることも多々ありました。
最近までも、ファンサークルの『NeoUtopia』誌上に毎年掲載されるファンによるお誕生日を祝う会やイベントのレポートを読んで安心していました。いつまでも若々しくご活躍されるお姿に読者として元気づけられてもいました。
これまでたくさんの作品で楽しませてくださった藤子不二雄Aさんに感謝いたします。
藤子不二雄Aさんによる活字の著作
活字本もどれも面白く、刊行を楽しみにしていました
- 関連記事