謎の企画『ミイラマスク(?)』続報
- 2022/05/04
- 06:30
2013年刊の『まんだらけZENBU』58号で発表された、謎の作品をご存知でしょうか。かつてオリジナル企画のために描かれたであろうプレゼン用セル画の作品です。
タイトルや企画書などは一切なく、あるのはセル画のみ。唯一の手がかりはフレーム枠に印字してあった「(C)1968」という文字だけです。かろうじて1968年(昭和43年)に描かれたもの、ということは分かりました。全身包帯で覆われているヒーローですので、仮に『ミイラマスク(?)』と呼ぶことにします。
前作の『黄金バット』に引き続き、動画や彩色、背景などを韓国に発注した作品でした。海外制作となったため、どこか国内作とは違う雰囲気で、おどろどろしい作品世界にもマッチしていました。
『黄金バット』は、日本テレビ系で1967年(昭和42年)4月から68年3月までh放映されました。第二作となった『妖怪人間ベム』は、それから7ヵ月後に局をフジテレビ系に変わって放映ということになります。
次の作品まで半年以上間が空くことは、当時としても会社の経営上は厳しい事態だったでしょう。しかも外国にスタジオを設立し、そこで社員を採用していたのですから彼らの給料も必要です。以降のように各社の作品が乱立し、その下請けに回ることもできない状況でした。
この間、第一動画としても手をこまねいていたわけではありません。様々な企画を作り出し、各テレビ局にセールスしていました。
そんな企画のひとつがこのプレゼン用セルだったのではないかと、推理していました。
ヒントは、全身を包帯で巻かれたヒーローと、サブキャラの子どもです。この絵柄は、『黄金バット』や『妖怪人間ベム』のデザインに近いようです。しかもこの背景の色彩も二作の雰囲気に似ています。ほかには、魔物のような相手と戦うヒーローの姿もありました。
先日、若林忠生さんにお会いした際、このコピーを見ていただきました。若林さんも、残念ながら50年以上前のことだからあまり覚えていらっしゃらない、とのことでした。
ただ、確かにこれは僕の絵のようだけど、とおっしゃりながら、「あの頃、いろんな企画の絵を庵原さんたちに描かされましたからね。そうかもしれない」と苦笑されていました。
できれば文字の企画書で、この作品の本当のタイトルや基本設定なども知りたいところです。
『ミイラマスク(?)』のプレゼン用セル画
何枚かありますが、入手のタイミングもバラバラでした。
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