清山滋崇さんインタビュー掲載『まんだらけZENBU』110号
- 2022/06/04
- 06:30
隔月刊の『まんだらけZENBU 110号』が6月に発売されました。
特集は「手塚治虫グッズ特集」第2部です。
巻頭を飾るのは、『ビッグX』のオートバイ玩具です。箱から揃っていて保存状態も良い品ですが、試作品で市販されなかったものだそうです。
記事ではメーカーである浅草玩具について調査し、その経緯を紹介しています。以降作られたブリキのオートバイにキャラクター人形が乗る玩具も、これが元祖だったそうです。
『ビッグX』のほかにも、ピープロ製作の実写版でおなじみの『マグマ大使』や『悟空の大冒険』の人形や玩具など珍しいグッズが揃って、見ていても楽しい内容でした。
巻末からは、今年1月に逝去された水島新司さんの追悼特集です。『ドカベン』や『野球狂の詩』、『あぶさん』『一球さんなど』の名キャラクターが描かれた画稿は、まさに水島作品の魅力が詰まった素晴らしい原画でした。
今回の「アニメーションインタビュー」は、ベテランアニメーターの清山滋崇さんです。
『ゲゲゲの鬼太郎』(原作/水木しげる)にモノクロの第一作から参加され、現在も様々な作品で精力的に描き続けていらっしゃいます。
清山さんは伝説のハテナプロのご出身で、Pプロの『ハリスの旋風』(原作/ちばてつや)からキャリアをスタートされました。
『機甲艦隊ダイラガーXV』や『タイガーマスク2世』(原作/梶原一騎 画/宮田淳一)など、端正な劇画調はアメコミ好きの影響もあったそうです。
また飯野皓さんや林政行さん、坂口尚さんとのお付き合いなど、これまでのお仕事に交えてお話しいただきました。
『キャプテン』(原作/ちばあきお)や『ゲゲゲの鬼太郎』、『アンドロメダ・ストーリーズ』(原作/竹宮恵子)、『三つ目がとおる』(原作/手塚治虫)など、様々な絵柄をスマートに描いてこられた清山さんのルーツも分かります。
現在も様々な作品に原画で参加していらっしゃる清山さんのお話は、刺激的でした。
連載記事では、成瀬正祐さんの赤本・貸本漫画研究の労作『護美之山』にうれしいニュースがありました。これまで誰も出来なかった描き下ろし単行本すべてにあたり、それを体系付けて紹介してきたこの連載が遂に単行本化されるのです。これは研究者にとって待望の一冊でしょう。その編集作業のため次号から2回は休載となるそうですが、書籍化のためでしたらそれも納得です。
私も出版を望んでいた一人として、刊行を楽しみに待ちたいと思います。
『まんだらけZENBU 110号』(まんだらけ出版部刊)
堤哲哉さんの連載『カード馬鹿一代』は、懐かしいキャラクターノート特集第10回です。
昭和ノートの『魔法使いサリー』や『マッハGOGOGO』のノートの表紙はいい絵でした。