渡辺宙明さんに感謝
- 2022/07/02
- 06:30
作曲家の渡辺宙明さんが、6月23日に亡くなられました。96歳でした。
渡辺さんは東京大学文学部のご出身ですが、学生時代から作曲家を志しておられました。大学時代は團伊玖磨さんや諸井三郎さんに師事し、作曲を学ばれます。
その後、新東宝の『人形佐七捕物帳 妖艶六死美人』で初めて映画音楽を手がけられ、その後新東宝で『スーパージャイアンツ』シリーズなど数々の作品を担当されました。
1970年代からは、特撮やアニメ番組の音楽を手掛けられるようになります。
『人造人間キカイダー』や、『キカイダー01』。『イナズマン』、『イナズマンF』、そして『アクマイザー3』や『大鉄人17』。『秘密戦隊ゴレンジャー』や『宇宙刑事ギャバン』などの宇宙刑事シリーズの主題歌や劇判曲を今も覚えている方も多いでしょう。
またアニメでは『マジンガーZ』から『グレートマジンガー』。『鋼鉄ジーグ』、『合身戦隊メカンダーロボ』、そして『マグネロボ ガ・キーン』も忘れられません。
特に『マジンガーZ』は、オープニング、エンディング、そして挿入歌「Zのテーマ」も名曲揃いです。
オープニングデーマの「マジンガーZ」は、第一話からその勇壮さとビート感、ホーンの迫力とこれまでにない世界が始まるという期待と興奮を刺激してくれました。
マジンガーZの巨大な雄姿と躍動感を押し出す曲調が水木一郎さんのパワフルな歌唱とあいまって、作品の魅力を押し出していました。
エンディングの「ぼくらのマジンガーZ」は、無機質な電子音でロボットのメカニック感を出しつつも、徐々に盛り上がっていく曲調が本編の余韻を残していました。
そして本編でも何度も流れた「Zのテーマ」は、どんなに危機に遭っても心折れず立ち向かおうとする兜甲児の心情がそのまま感じられ、見る者にとっても心を奮い立たせてくれる曲でした。
当時からのファンは、その後も自らも奮い立たせる場面で一度は心に浮かべたことがあると思います。
またアニメでは、『野球狂の詩』や『おれは鉄兵』。そして『最強ロボ ダイオージャ』、『光速電神アルペガス』、『ビデオ戦士レザリオン』などもそれぞれ印象的でした。
これまで心に残る数々の名曲を作って下さった渡辺宙明さんに感謝いたします。
『マジンガーZ』シングル盤レコード