あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その30
- 2022/07/17
- 06:30
第2章
■タツノコプロへの参加 (1)
ただこの当時は、社業としてはまだ雑誌マンガがメインでした。天馬さんは、吉田竜夫さんの『少年忍者部隊月光』や、九里一平さんの『大空のちかい』、『マレー白虎隊』など、人気作の企画・構成などを手掛けていきました。
シナリオなどの漫画原作者的な仕事ではありましたが、既にタツノコプロの社員としての立場でもあり名前を表に出すことはありませんでした。
吉田さんは、この頃『週刊少年マガジン』にプロレスまんが『チャンピオン太』を連載していました。絵物語時代の『鉄腕リキヤ』から付き合いのあった、梶原一騎さんの原作です。
実在の人気レスラーである力道山が出てくることでも『チャンピオン太』の人気は高く、テレビドラマ化されることになります。昭和37年(1962年)11月7日に第1話が放映されました。
そして子どもたちに大人気だった力道山が自らの役で出演するということでも、話題になりました。悪役の死神酋長役には若き時代のアントニオ猪木が抜擢されたことも、今から考えれば豪華なキャスティングです。
第1話の撮影は、8月末から9月頃のまだ暑さの残る時期だったそうです。
吉田さんは撮影現場を見るため、この頃渋谷にあったプロレスの常設会場であるリキスポーツパレスを訪れます。
この撮影現場の訪問には天馬さんも同行されていました。(つづく)
集英社『少年ブック』付録デラックス漫画ブック『マレー白虎隊』(九里一平/著)
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