1977年の出版ラッシュ⑬
- 2015/04/05
- 09:04
■「ファンタスティックTVコレクション」『科学忍者隊ガッチャマン』その1
『ランデヴー』と『TVアニメの世界』の記事で、吉田竜夫さんが亡くなったことも、知りました。
いつも見ていたタツノコ作品のテロップに必ず原作者として出ていた吉田竜夫という方に、もう直接お会いする機会は永遠に失われてしまったんだ、と思うと、寂しさで胸の中にぽっかりと穴が空いたような気持ちになったことを覚えています。
当時古本屋をまわっては、『ハリス無段』(サンデーコミックス)や『マッハGOGOGO』(サンコミックス)などの単行本をいつも探していて、吉田竜夫さんの描き出す世界に魅かれていましたから、そのショックは尚更でした。
1977年(昭和52年)11月末頃に、朝日ソノラマから「ファンタスティックTVコレクション」として、『科学忍者隊ガッチャマン』と『空想特撮映像の素晴らしい世界 ウルトラマン』が発売されました。後に「ファンコレ」として、特撮系を中心にしたタイトルを多数出すシリーズです。この頃特撮も好きでしたから、両方購入しましたが、実はちょっとがっかりもしました。
確かに最終回「地球消滅0002」のフィルムストーリーなどは嬉しかったのですが、資料的な記事が少ないように感じたのです。
せっかく第92話「三日月基地の最後」の絵コンテが紹介されるのなら、4ページだけではなくもっとハイライトシーンを見せて欲しいと思いました。「ギャラクターのメカ」の描き下ろしイラスト集だったら、大河原邦男さんがお描きになった各話の鉄獣メカの設定の方がどれだけ良かったことでしょう。
同時に発売された『ウルトラマン』は、企画から制作までの記事ページや資料なども充実して読み応えがありました。ただ『ガッチャマン』の方は、スタッフのコメントはSF考証の小隅黎さんだけで、あとは総監督の鳥海永行さんの短編小説と、フィルムストーリーがメインで、ファンとしては少々期待ハズレなところもあったのです。
確かに『ガッチャマン』は、その絵の魅力が大きかったのですが、決してそれだけではありません。ハードな演出や、優れたデザインセンスのメカニック、落ち着いて美しい美術や色指定、ピタリとはまった声優陣などなど、子どもながらそのすべてに魅了されていました。
ですからアニメスタッフ以外の方による描き下ろしページを大きく扱うくらいでしたら、吉田竜夫さんや天野義孝さんが描かれたゲストキャラまでの設定画や宮本貞雄さんの修正原画が見たかったですし、各スタッフのインタビューや、制作資料、企画から成り立ちまで誕生の詳細が分かるような記事も読みたかったのです。(つづく)

ファンタスティックTVコレクションNO.1「科学忍者隊ガッチャマン」』 書店で、同シリーズの「ウルトラマン」と
2冊並んでいて嬉しくなりました。子供向けではないアニメや特撮の本は、その頃まだ無かったからです。
『ランデヴー』と『TVアニメの世界』の記事で、吉田竜夫さんが亡くなったことも、知りました。
いつも見ていたタツノコ作品のテロップに必ず原作者として出ていた吉田竜夫という方に、もう直接お会いする機会は永遠に失われてしまったんだ、と思うと、寂しさで胸の中にぽっかりと穴が空いたような気持ちになったことを覚えています。
当時古本屋をまわっては、『ハリス無段』(サンデーコミックス)や『マッハGOGOGO』(サンコミックス)などの単行本をいつも探していて、吉田竜夫さんの描き出す世界に魅かれていましたから、そのショックは尚更でした。
1977年(昭和52年)11月末頃に、朝日ソノラマから「ファンタスティックTVコレクション」として、『科学忍者隊ガッチャマン』と『空想特撮映像の素晴らしい世界 ウルトラマン』が発売されました。後に「ファンコレ」として、特撮系を中心にしたタイトルを多数出すシリーズです。この頃特撮も好きでしたから、両方購入しましたが、実はちょっとがっかりもしました。
確かに最終回「地球消滅0002」のフィルムストーリーなどは嬉しかったのですが、資料的な記事が少ないように感じたのです。
せっかく第92話「三日月基地の最後」の絵コンテが紹介されるのなら、4ページだけではなくもっとハイライトシーンを見せて欲しいと思いました。「ギャラクターのメカ」の描き下ろしイラスト集だったら、大河原邦男さんがお描きになった各話の鉄獣メカの設定の方がどれだけ良かったことでしょう。
同時に発売された『ウルトラマン』は、企画から制作までの記事ページや資料なども充実して読み応えがありました。ただ『ガッチャマン』の方は、スタッフのコメントはSF考証の小隅黎さんだけで、あとは総監督の鳥海永行さんの短編小説と、フィルムストーリーがメインで、ファンとしては少々期待ハズレなところもあったのです。
確かに『ガッチャマン』は、その絵の魅力が大きかったのですが、決してそれだけではありません。ハードな演出や、優れたデザインセンスのメカニック、落ち着いて美しい美術や色指定、ピタリとはまった声優陣などなど、子どもながらそのすべてに魅了されていました。
ですからアニメスタッフ以外の方による描き下ろしページを大きく扱うくらいでしたら、吉田竜夫さんや天野義孝さんが描かれたゲストキャラまでの設定画や宮本貞雄さんの修正原画が見たかったですし、各スタッフのインタビューや、制作資料、企画から成り立ちまで誕生の詳細が分かるような記事も読みたかったのです。(つづく)

ファンタスティックTVコレクションNO.1「科学忍者隊ガッチャマン」』 書店で、同シリーズの「ウルトラマン」と
2冊並んでいて嬉しくなりました。子供向けではないアニメや特撮の本は、その頃まだ無かったからです。
- 関連記事
-
- 1977年の出版ラッシュ 番外編
- 1977年の出版ラッシュ⑭
- 1977年の出版ラッシュ⑬
- 1977年の出版ラッシュ⑫
- 1977年の出版ラッシュ⑪
- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:1977年の出版ラッシュ
- CM:0
- TB:0