山岸博さんインタビュー掲載『まんだらけZENBU』111号
- 2022/08/06
- 06:30
隔月刊の『まんだらけZENBU 111号』が8月1日に発売されました。
巻頭特集は「ペコちゃん」です。不二家の店頭でおなじみの人形から、店内用フィギュア、関連グッズ、社内の初期設定写真などが勢ぞろいした167ページのボリュームです。
圧巻は、店頭カウンターに飾られていた首振り人形です。なんと1952年(昭和27年)から1964年まで、各年代のペコちゃんが勢ぞろいしていました。
そのほか、着せ替え人形や自動車の菓子容器、各時代の景品グッズなど様々なグッズが大集合なのです。
ここまでのものは意思を持って長い時間をかけないと、なかなか揃うものではありません。なにか手放されるご事情もあったのでしょうが、どのような方が蒐集しておられたのかは気になります。また、次の大事にしてくれるオーナーの手に渡っていって欲しいと思います。
今回の「アニメーションインタビュー」は、『サザエさん』(原作/長谷川町子)の初代チーフディレクターを務められた山岸博さんです。
山岸さんはエイケン入社後、セルの仕上げを管轄するチェッカーとして『サザエさん』や『おんぶおばけ』、『冒険コロボックル』に参加されます。
その後社内演出として『サザエさん』に抜擢され、後にチーフディレクターになられて長年アニメ『サザエさん』を支えてこられました。山岸さん以前チーフディレクターは存在せず、プロデューサーだった松本美樹さんが作品を統括していたそうです。
長谷川町子さんの描き出された『サザエさん』の世界を守りつつも、少しずつその時代に合った内容にアップデートするように作ってこられた山岸さんです。そこには視聴者には分からない様々なご苦労もありました。
日本各地を描くオープニングのためのロケ取材や、名物プロデューサーだった松本美樹さんの姿など、初めて知るエピソードもいろいろ明かしていただきました。
デジタル化が始まる前、その問題点を喝破されていた鳥居宥之さん、大ベテランで亡くなられるまでコンテを描き続けた永木ふさひろさんのエピソードも心に沁みるものでした。
誰もが知り50年以上お茶の間に流され続ける作品を長年守りながら作り続け、次のスタッフにバトンを渡された山岸さんです。初めてお聞きする話も多く、改めて感銘を受けました。
連載記事では、毎号楽しみにしている成瀬正祐さんの赤本・貸本漫画研究の労作『護美之山』が、休載でした。
この連載の単行本化のためということですが、成瀬さんのページがないとやはり寂しいものです。できれば1ページくらいでも、成瀬さんのコラムなど掲載されているとうれしいです。
『まんだらけZENBU 111号』(まんだらけ出版部刊)
堤哲哉さんの連載『カード馬鹿一代』は、懐かしいキャラクターノートの特集第11回です。
1968年の昭和ノートでは、『巨人の星』や『怪物くん』などのノートが紹介されています。
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