あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その34
- 2022/08/14
- 06:30
第2章
■タツノコプロへの参加 (5)
雑誌連載時には、昭和39年(1964年)11月からテレビ放送開始とうたわれていた、『宇宙エース』。
実際には、翌年の昭和40年5月から、放映がスタートしました。
吉田竜夫さんも、雑誌の連載マンガを執筆しながら、アニメの原画のチェックも自ら行いました。九里一平さんも同様に、演出や作画を監修しています。
天馬さんも本編では『太陽マグネ(前後編)』、『X-13号ステーション』など、脚本も担当しています。
もちろん、それだけでは経験者はあまりいませんし、スタッフも足りません。
そんな中、作画には木下敏治さん。そして美術・背景には、『宮本武蔵』を描いた山口あきらさん。演出にも茨木啓一さんなど、天馬さんの知人でもあるマンガ家さんたちが参加してくれています。
やがて次作の『マッハGOGOGO』、そして『おらあグズラだど』など、アニメ制作の陣容が揃っていきます。タツノコプロもアニメーションの制作に軸足を移していきます。
その後、天馬さんは雑誌連載マンガや絵本など、出版関係を統括する出版部長を務めるようになります。
学年誌などのテレビアニメのコミカライズ版の連載、絵本の構成や執筆など、様々な作品でその名前を見ることができました。
タツノコでもテレビアニメがメインになってくると、次々と新しい絵が生み出されてきます。ご自身でも、もう自分の絵の時代ではないと思われたのでしょうか。
以降は、表向きにはオリジナルの絵を描くことはやめてしまいました。
第2章 了 (第3章につづく)
『宇宙エース』第26話「X-13号ステーション」AR台本
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