「資料性博覧会15」で『『九尾の狐と飛丸』徹底研究』頒布
- 2022/08/21
- 06:30
コロナ禍の影響で5月から8月に延期された、まんだらけによる年に一度のイベント「大まん祭」が、8月13日と14日、中野サンプラザで行われました。
例年5月の開催と違い、今回は8月の2日間に濃縮したイベントとなりました。
2009年から始まった資料系同人誌に特化した「資料性博覧会」も14日の開催です。
これまでだと午前から午後までなのですが、今回は午後は別のイベントが行われることもあり13時15分で終了でした。
いつも混雑を避け午後にゆっくりとお邪魔していたのでそのつもりでいましたが、当日出かける際気づき慌てて終了間際に駆け込みむことができました。
コノシートさんによると、1960年代から70年代にかけて、大手映画会社制作ではない独立系の会社が制作した3つの劇場版アニメ作品があるそうです。
『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』(東京テレビ動画)と、『(秘)劇画 浮世絵千一夜』(レオ・プロダクション)、そして、『九尾の狐と飛丸』(日本動画)です。
『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』は、2019年にDVD化されました。また『(秘)劇画 浮世絵千一夜』は、コノシートさんによる『幻の劇場アニメ (秘)劇画 浮世絵千一夜徹底研究&資料本』で詳細が解明され、現在も研究が進められています。
そして、残された最後の一作品である『九尾の狐と飛丸』が、新刊のテーマです。
いつもながら、当時のプレスシートや雑誌記事、コミカライズ版など様々な資料を集め、それを元に徹底研究分析している労作です。
この作品には、物語をアニメ化しようとした一人の人物がいました。まさか、この映画がきっかけで政治家に転身され、文部大臣にまでなっていたとは知りませんでした。
その制作に至る背景当時の状況、映画の内容の詳細な検討、後のテレビ放映など、いつものコノシートさんの探求ぶりは今回も健在です。
コノシートさんも終了間際で撤収の準備中でしたが、なんとかこの内容の濃い新刊を買わせていただくことができました。
また改めて1本のアニメの辿ってきた数奇な運命と、知られざる製作者である中島源太郎さんの人物像を知ることができ、じっくりとその成果を堪能させていただきました。
ヤフオクでも、通販されるようです。
会場で配布された『戦え!オスパー』クラウドファンディングの案内の号外
国映と交渉し、プリント修復と上映まで道筋を付けられたコノシートさんの
行動力にはいつもながら頭が下がります。
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