若林忠生さん、第35回上野の森美術館「日本の自然を描く展」入選
- 2022/08/27
- 06:30
先週末、8月11日から30日まで上野の森美術館で開催されている「第35回 上野の森美術館 日本の自然を描く展」に行ってきました。
『多摩川台公園遠望』
若林忠生さんの入選作を見るためです。
若林さんは、若い頃に村田安司さんが主宰する村田漫画に入社されます。そこはまだ近代的な工房ではなかったため、背景や撮影などアニメ制作の様な経験を積まれます。そして、まだテレビアニメが始まる以前、CMフィルム制作の大手だったTCJ(現・エイケン)にアニメーターとして移籍されました。
1963年(昭和38年)虫プロの『鉄腕アトム』に端を発する国産テレビアニメラッシュの中、『鉄人28号』(原作/横山光輝)制作のため、TCJで新人アニメーターを指導しつつ作画監督を担当されたのです。当時、若干23歳という若さでした。
その後、TCJで『遊星少年パピイ』の演出や作画監督を担当され、第一動画では『黄金バット』や『妖怪人間ベム』のキャラクターデザイン・作画など、古くからのアニメファンには、印象に残る数々の作品を手掛けてこられました。
若林さんは現在はアニメーターの道を退かれ、趣味の絵筆を握っておられます。
今回、第35回目となる「日本の自然を描く展」は、プロの画家から趣味で描いている人まで、幅広く門戸を開いています。
若林さんは近年、主に風景画を描き続けておられます。趣きのある建物と植物の緑、そして陽の光が融和された街並みを切り取った作品は、どれも柔らかな雰囲気が伝わってきます。
今回入選したのは『多摩川台公園遠望』という作品です。
多摩川台公園はその名の通り、多摩川沿いの丘にある長い公園です。園内には自然の林の道や水生植物園、四季の野草園、あじさい園、そして亀甲山古墳など、見所もたくさんある、地元の人たちに親しまれています。
その多摩川台公園の様子を、離れた場所から見た構図です。丘側の緑の生い茂る雑木林や鉄橋には、東急線の電車が走っています。
最寄りの多摩川駅は、東横線や目黒線、多摩川線の3路線が乗り入れていますので、その中のどれかでしょう。
川の水面に映る鉄橋や防波堤も風情をのどかさを感じさせてくれます。
今回も水彩の透明感のあるタッチが、印象的な作品でした。
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