1982年夏のスペシャルアニメ
- 2022/09/04
- 06:30
1982年(昭和57年)8月22日、日本テレビの「24時間テレビ」内で、TVSP『アンドロメダストーリーズ』(原作/光瀬龍 まんが/竹宮恵子)が放映されました。今年で40周年を迎えます。
前年81年の日本テレビのテレビスペシャルでの放映されたのは、手塚治虫さん原作の『ブレーメン4 地獄の中の天使たち』でした。
1978年の開始以来、「24時間テレビ」の枠では手塚作品の放映が恒例でした。第一作は、『100万年地球の旅 バンダーブック』。79年は『マリンエクスプレス』。80年は『フウムーン』、そして『ブレーメン4』と、毎年新作が発表されていたのです。
ファンも、24時間テレビでは手塚作品の新作テレビスペシャルが当たり前のように思っていました。
そんな中、光瀬龍さんの原作を竹宮恵子さん作画の『デュオ』(朝日ソノラマ)で連載中だった『アンドロメダストーリーズ』を東映動画がアニメ化することになったのです。
竹宮さんの作品では、『デュオ』前身である『月刊マンガ少年』に連載された『地球へ…』も、東映動画により1980年4月に劇場アニメ化されています。
竹宮さんの作品はアニメファンにも人気でしたので、このアニメ化も歓迎されました。
演出は、佐々木正光さん。作画監督は清山滋崇さん。美術は田中資幸さんです。清山さんは、竹宮さんのスマートで品のいいキャラクターをそのまま生かして描き出してくれました。
改めて考えると『地球へ…』と同じく、コンピューターが支配する未来が舞台となっており、管理社会の中で人間らしさを追うという両作のテーマはどこか近かったかもしれません。
『アンドロメダストーリーズ』は日曜の午前からでしたが、この日の夕方からはフジテレビ系で、同じ東映動画製作のテレビスペシャルも放映されています。
『十五少年漂流記』(原作/ジュール・ヴェルヌ)です。こちらは、数多くのスペシャルアニメを発表してきた「日生ファミリースペシャル」の一作でした。
誰もが知る冒険物語の古典ですが、キャラクター原案に『うる星やつら』の高橋留美子さんを迎えたのが新鮮でした。
こちらも楽しみだったのですが、作画監督を担当された我妻宏さんとはあまり画風が合わなかったのでしょうか。ちょっと高橋さんのキャラクター本来の柔らかさがあまりなく、硬質な印象もあり残念でした。
この時期、東映動画は通常のテレビシリーズの進行に加え、テレビスペシャルの長編作を2本抱えたのですから現場はかなり多忙だったと思います。
『アンドロメダストーリーズ』原画
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