幻のタツノコアニメ『ブンブン野郎』が見たい!
- 2022/09/11
- 06:30
古くからのタツノコファンならおなじみの、幻に終わった『スカイファイターZ』こと『ブンブン野郎』(企画時タイトル)。
社内では第8作として企画は進められ、三話まで完成していたといいます。
『マッハGOGOGO』ではカーアクションがテーマでしたが、『ブンブン野郎』は、空を舞台とした航空アクションものです。
吉田竜夫さんのマンガ家時代の『大空三四郎』(『ぼくら』連載)や、九里一平さんの『少年スピード王』(『少年』連載)などをベースにした企画でした。
キャラクターデザインは、もちろん吉田竜夫さん。プロペラ機からジェット機に可変するメカニックデザインは中村光毅さんです。このアイデアは『科学忍者隊ガッチャマン』のG1号に使われています。
第8作ということは、1965年(昭和40年)5月スタートの『宇宙エース』に始まり、 『マッハGOGOGO』、『おらぁグズラだど』、『ドカチン』、『紅三四郎』、『ハクション大魔王』、『みなしごハッチ』に続く予定だったのでしょうか。
実際の8作目になったのは、タツノコプロ初の自社以外の原作もの『いなかっぺ大将』(原作/川崎のぼる)でした。当時、初の外部原作ということで社内が紛糾したというのも、本当は皆こちらをやりたかったこともあったのでしょう。
絵柄的には、『マッハGOGOGO』とよりリアルになった『紅三四郎』の中間のデザインで、主人公の大空文太はやんちゃでコミカルなイメージもありました。
作画はタマプロの田中英二さんを中心に、作画監修は吉田竜夫さん。演出の九里一平さんも自らキャラ修正を入れていました。
実は当初、『タツノコプロ30周年記念全集』には、このフィルムを収録するLDデイスクが付けられる予定でした。楽しみにしていたのですが、実際にはついていません。
その後も公開を待ち望んでいましたが、2008年に八王子夢美術館にて行われた『タツノコプロの世界展』ではその一部が上映されました。
できれば創立60周年を迎える今年に記念事業の一環として、この三話をソフト化などできないでしょうか。
吉田さん、九里さん、中村さんたちの油の乗り切った時期で、タツノコ純度100%のオリジナル作品をこの機会に是非見せていただければと願っています。
『ブンブン野郎』原画 いいキャラクターですね
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