西岸良平さんの『三丁目の夕日』69巻発売
- 2022/09/23
- 06:30
1974年9月から48年間続く連載で、これまでもテレビアニメ化や実写映画化され話題となった人気作です。
連載当初から、昭和30年代頃のどこか懐かしい情景とそこに生きる人々のささやかな生活を描き、多くの読者を魅了してきました。
長年の読者にはおなじみの茶川先生と淳之介くんは、今回は出演はありません。鈴木オートの一平くんや謎の発明家である某博士、町内の超能力主婦、里子さんが登場するエピソードなどが収録されています。
69巻のタイトル作でもある「社長の猫」は、里子さんの家で、お父さんの取引先の社長の猫を預かるエピソードです。このトラ丸は社長の愛猫ということで、贅沢三昧の暮らしをしていたので、里子さんたちの家計では食べることの出来ない、マグロの刺身などを要求します。
里子さんも超能力で猫語を理解するのですが、トラ丸のわがままに振り回されます。ですが預かる期間が終わる頃、預けられた真相が判明するのです。
「某博士の大発明 スーパービームの秘密」では、体力の衰えを感じた某博士が体の細胞を強化しトップアスリートなみの肉体に改造する強力パワーアップビーム発生装置を開発します。途中で車に轢かれそうになった小児マヒで右足が動かないサトシくんを助け、このビームを浴びせます。
すると、サトシくんも走れるようになり、二人でランニングを楽しむのですが。
某博士の発明は、いつも失敗で終わりますが、今回は希望を持たせてくれる暖かいラストでした。
そのほか、タヌキのお巡りさんのいる「タヌキ交番」。お母さんと妹と三人暮らしの勝男とミカちゃんの交流を描く「紙せっけん」。
3丁目に引越してきた美術大学教授の秋山さん一家をめぐる「秋山家の秘密」など、新作も愉しく読ませていただきました。
次は、いよいよ70巻になる、あと二年で連載50周年です。
これからも西岸さんには健康にお気をつけいただき、ゆっくりと新作を読ませていただけたらと思っています。
『三丁目の夕日 夕焼けの詩』69巻「社長の猫」
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