『超時空要塞マクロス』 祝 放映40周年
- 2022/10/09
- 06:30
1982年(昭和57年)10月3日、TBS・毎日放送系で『超時空要塞マクロス』がスタートしました。日曜のお昼という変わった時間帯でした。
アニメ雑誌でも予告記事が掲載され、美樹本晴彦さんのフレッシュなキャラクターやスタジオぬえによるシャープなメカに、スタート前からファンの期待は高まっていました。
初回は1話と2話を合わせて放映という、話題作らし始まりでした。
原作はスタジオぬえでチーフディレクターは石黒昇さん。キャラクターデザインは当時新人だった美樹本さん、メカニックデザインは宮武一貴さんと河森正治さん。美術監督は、多田喜久子さんと勝井和子さん、シリーズ構成は松崎健一さん。音楽は羽田健太郎さん。作画監督には美樹本さんと平野俊弘さん、垣野内成美さん、そして板野一郎さんがあたられました。
第一回から魅力的なキャラクター、バルキリーの変形や緻密なメカニック描写、早すぎる迫力の戦闘シーンなど、今までになかった新しいアニメと思わせられました。
宇宙戦争の中で展開する若者たちのラブストーリーに、飯島真理さんが演じるヒロインがアイドル歌手になり、やがてその歌が重要な役目を果たすなど、作品の感覚も新鮮でした。
ベテランの石黒さんが現場をまとめ、若手の実力派スタッフに存分に力を発揮させたこともあったのでしょう。
残念ながら作画は、極端に絵が違う回や間に合わず止めを多用した回もありました。ただ元々キャラクターは清潔感があり魅力的でした。ですから美樹本さんや平野さんが担当される作画監督回、そして板野さんによるアクション作画が出る回を待ち望んで見ていました。
美術も重厚なメカニック表現の中にも透明感があり、作品自体の若々しい雰囲気を彩ってくれていました。
当時もアニメファンからの支持も高く、アニメコミックや設定資料集、LPレコードなど数多くの関連アイテムが出され、それぞれヒット商品となっていました。
これまでお茶の間の広い世代対象に作られてきたテレビアニメから、ティーン向けの青春小説のような新風を吹きいれた作品が『超時空要塞マクロス』だったのでしょう。
初めて若いスタッフがメインとなり、自分たち世代に向けた新しい作品が登場したのです。
この『マクロス』を期に、アニメファン世代を明確にターゲットにした作品が出るようになります。
その後も、様々な新作が登場しましたが、この『マクロス』と最初に出会ったときの衝撃は忘れることができません。
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