『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』 祝 放映40周年
- 2022/10/22
- 06:30
1982年(昭和57年)10月13日、TBS系で『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』(原作/松本零士)が始まりました。毎週水曜午後7時半からの時間帯でした。
この年7月に公開された『わが青春のアルカディア』に続く形で製作されたテレビ版です。
『宇宙海賊キャプテンハーロック』や、劇場版『銀河鉄道999』にも登場したキャプテンハーロックが主役です。物語は『宇宙海賊キャプテンハーロック』の前日譚という位置づけでした。
チーフディレクターは劇場版に引き続き、勝間田具治さん。キャラクターデザインとチーフアニメーターには名手、小松原一男さん。チーフデザイナー(美術監督)も劇場版に引き続き伊藤岩光さん、各話の作画監督には、荒木伸吾さん、森利夫さん、正延宏三さん、篠田章さん、富沢和雄さんなどが参加されていました。
各話作監もそれぞれ総作監クラスの布陣でしたが、さらにチーフアニメーターの小松原一男さんがチェックしていましたので、キャラ崩れなどないハーロックを見ることができました。
ただ、それまで『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』などで、アニメブームを牽引してきた松本零士作品から、時代のニーズは変わっていました。
ちょうど同時間帯には、新たな風潮を代表するような『うる星やつら』(原作/高橋留美子)がフジテレビ系で放映されており人気になっていたのです。
そんな時代に合わせようとしたのか、これまでシリアスで寡黙だったハーロックも幾分優しく饒舌になり、古くからのファンは少々違和感も感じていました。
『宇宙海賊ハーロック』では、台羽正が搭乗していましたが、今回は少年の物野正が新たな乗組員となります。まだ若い正は、ドクター蛮やトチローに目をかけられ成長していきます。そして、ドクター蛮とともに少女のレビも途中から合流します。
劇場版『わが青春のアルカディア』の続編的位置づけの作品ではありましたが、年少の視聴者層も意識したのか少年少女キャラを出すことになったのでしょう。
劇場版のハードな世界から、ちょっとのどかになった感じのテレビシリーズは、多少の違和感もありました。
そんななか、第5話の「惑星セルの少女」では、荒木伸吾さんが作画監督を担当され、荒木プロ調の松本美少女が登場したのでアニメファンは喜んだものです。
また小松原さんによるハーロックはさすがでしたし、荒木さんや森さんなどの作画回を楽しみにしていました。
この『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』の放映時、『うる星やつら』とどちらを録画してどちらをリアルタイムで見るか迷っていたことを思い出します。
『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』
左下:レイアウト 右下:原画 左上:作画監督修正 篠田章さん
右上:総作画監督 小松原さんの修正です。
- 関連記事
-
- キャラクターデザインの違った『まんが水戸黄門』パイロット版
- 『さすがの猿飛』 祝 放映40周年
- 『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』 祝 放映40周年
- 『スペースコブラ』 祝 放映40周年
- 『忍者マン一平』 祝 放映40周年