東京都美術館で勝又激さんの作品展示
- 2022/11/03
- 06:30
先週、上野公園内にある東京都美術館に行ってきました。10月24日から30日まで開催された、「南画院展 第75回記念公募展」を見るためです。
「南画」とは、日本画の一種です。
日本画には色彩を豊かに使う絵と水墨淡彩の手法で描く絵の2種類があり、南画とは水墨淡彩で描かれた絵のことです。
水墨淡彩ということで思い出すのは、昔から古い家屋の床の間などにあったる掛け軸の絵です。あの山水画などのように、中国古来の絵画の影響を引き継ぎつつ、墨の濃淡を基礎にして描いた作品だそうです。
南画の手法は、和紙に墨で描くのが基本で、絵の具も顔彩という日本画用のものです。
会場は入り口のある地階から上がった2階の第3展示室です。98点ほどの南画、そして洋画や磁器、写真作品などバラエティに富んだ作品がありました。
勝又さんの作品は、第3展示室内の第3室にありました。
タイトルは「波の音」です。今回、作者名がペンネームの勝又天笑となっていましたが、鮮やかなグラジオラスの色彩で勝又さんの作品と分かりました。
グラジオラスは、ゴッホやルノアール、モネなどの画家も描いています。
絵を描く人なら描いてみたくなるような、魅力があるのかもしれません。
今回の作品の生命力を感じさせるようなグラジオラスの花のバックには、躍動感溢れる波が描かれていれます。
静かに力強くたたずんでいる花と、動きのあるダイナミックな波という静と動の対照は、絵の中に流れる不思議な時間を感じさせられました。
俳句もたしなみ、ご自身の新作絵画も描き続けておられる勝又さんの世界は、これからも楽しみです。
勝又激『波の音』
- 関連記事
-
- 若林忠生さんの新作画「神楽坂(善国寺)」「北の丸公園への道」
- 若林忠生さん新作絵画「2022年 都展」に出品
- 東京都美術館で勝又激さんの作品展示
- 若林忠生さんの水彩スケッチ展示
- 『戦え!オスパー』リターン上映会