キャラクターデザインの違った『まんが水戸黄門』パイロット版
- 2022/11/05
- 06:30
『まんが水戸黄門』は、テレビ東京系で1981年(昭和56年)9月から82年7月まで放映されたナック製作のアニメです。
昨年4月に、放送40周年を記念してブルーレイが発売されました。
全46話のほか、ナックによるパイロット版日本の民話『笠地蔵』と『一寸法師』が映像特典として収録されています。この製作の時期は分かりませんが、グループタックの『まんが日本昔ばなし』の放映以前のものでしょう。
昔ばなしを題材にするテレビアニメはエイケンやタツノコプロでも企画されており、各社とも考えていたことが分かります。結局グループタックで実現したのですが、もし別の会社だったらどういう絵柄になっていたかと想像するのも楽しいことです。
さて、このブルーレイ『まんが水戸黄門』には、同作品のパイロットフィルムも収録されていました。
こちらはおなじみの森下圭介さんによる本編キャラクターと違って、可愛い絵柄です。
同じナック作品で1979年から80年まで放映された『まんが猿飛佐助』のキャラクターの延長のような雰囲気でした。
内容も悪い侍に利用されている狸たちを助けるため、捨丸と黄門様たちが退治に出かけるというファンタジー調のエピソードです。
実は、以前この『まんが水戸黄門』のパイロットフィルム用のラフ設定を入手していました。これは企画用のイメージイラストではなく、それぞれのキャラクター設定も出来ていたため、もしかしたらフィルムも作られていたのではと思っていました。
描かれたのは『まんが猿飛佐助』と同じく岡迫亘弘さんです。岡迫さんはその前に『ドカベン』を手掛けておられたので、水島新司さんの影響も感じられるようなチャーミングなキャラクターでした。
多分『まんが猿飛佐助』の次の企画として、岡迫さんのキャラクターで『まんが水戸黄門』は進められていたのでしょう。
そしてパイロットフィルムをテレビ局などの意向などで検討し、改めて劇画調のキャラクターに変更されたのです。
そのため、放映開始が一年ずれたのかもしれません。
この度のブルーレイ化により幻の『まんが水戸黄門』パイロット版を見ることが出来、長年の謎が解けました。
思い出のアニメライブラリー 第123集
『まんが水戸黄門 Blu-ray』
パイロット版『まんが水戸黄門』設定原画ラフ
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