水木一郎さんに感謝
- 2022/12/17
- 06:30
歌手の水木一郎さんが、12月6日、肺がんで亡くなられました。74才でした。
元々歌謡曲の歌い手だった水木さんは、1971年(昭和46年)の『原始少年リュウ』のオープニング曲を歌われます。そしてその歌唱力を見込まれ、以降アニメや特撮などテレビ漫画の主題歌を次々に歌われるようになりました。
70年代は『バビル2世』や『アストロガンガー』、『マジンガーZ』、『グレートマジンガー』、『鋼鉄ジーグ』、『宇宙の騎士テッカマン』、『ゴワッパー5ゴーダム』、『合身戦隊メカンダーロボ』、『マグネロボ ガ・キーン』、そして『超電磁ロボ コン・バトラーV』などの作品のオープニングテーマを力強く歌ってくれました。
アニメ好きは、水木さんの歌声から始まる番組を毎週楽しみに見ていたものです。
また、特撮でも『超人バロム1』や『変身忍者嵐』、『ロボット刑事K』、『ザ・カゲスター』、『大鉄人17』、『快傑ズバット』などの主題歌は水木さんの歌声が当たり前でした。
この当時は子ども向け番組の主題歌を歌うことは、歌謡曲の歌手よりも下に見られていました。それでも水木さんは卑下することなく、一曲一曲その作品の世界に合わせて歌い込んでこられました。
ロボットアニメやヒーローものの特撮などパンチの効いた力強いテーマだけでなく、やさしく歌い上げる『ムーの白鯨』や、コミカルな『がんばれロボコン』、壮大に歌い上げる『宇宙海賊キャプテンハーロック』、しっとりとしたバラードの『新ルパン三世』エンディング・ボーカルバージョンなど、どのような曲でもその雰囲気を高めながらも水木調で歌いこなしてくれました。
個人的には、『マジンガーZ』の「Zのテーマ」は、いつ聴いても心を揺さぶられる名唱です。また『ゴワッパー5ゴーダム』の「行くぞゴーダム」の歌い出しのダミ声は、放送で見る度にそのインパクトが気になっていました。のちにルイ・アームストロングの歌唱法を真似たと知り、納得しました。
1989年のベストアルバム『OTAKEBI参上! 水木一郎ベスト』と2枚目の『OTAKEBI2』は、発売当時何度も聴いたものです。
『OTAKEBI2』の「懐かしくってヒーロー」では、メドレーで持ち歌の『バビル2世』などのほか、『宇宙戦艦ヤマト』や『科学忍者隊ガッチャマン』、『ゲゲゲの鬼太郎』まで、水木節で歌ってくれました。どれも一節だけでなく全部聴きたいと思わせられました。
90年代からは“アニキ“と呼ばれ、海外にまで広がった多くのファンに慕われていました。
これまで様々な名曲を歌ってこられた水木一郎さんに、感謝いたします。
LP『水木一郎 テレビ主題歌をうたう』
CD『OTAKEBI参上!』、『OTAKEBI2』