聖悠紀さんに感謝
- 2023/01/11
- 06:30
昨年12月、聖悠紀さんが10月30日に肺炎で亡くなられたと報じられました。72歳でした。
聖さんは高校2年の時、雑誌『ボーイズライフ』に掲載された、マンガ同人グループ『作画グループ』の会員募集を見て入会します。そこから初めてペンで原稿を描いて肉筆回覧誌に投稿を始められました。
投稿第三作目が、『超人ロック』の誕生編となる『ニンバスと負の世界』でした。聖さん17歳の時の1967年(昭和42年)に描かれた長編です。
肉筆回覧誌という会員しか読むことの出来ない媒体への発表でしたが、この作品は会員に支持され、その後1969年(昭和44年)第二作『この宇宙に愛を』、1970年(昭和45年)には、『ジュナンの子』を発表します。
『ジュナンの子』は、貸本専門の出版社であった東考社から小部数の新書判で刊行されました。またすでにプロになられていた1974年(昭和49年)には、第4作『コズミックゲーム』も、描き下ろしで同じ東考社から出版されます。
この2作で『超人ロック』はまんがファンにも密かに知られるようになり、1977年の『月刊OUT 12月号』(みのり書房)で特集を組まれます。ここで多くのファンが、その存在を知ることになりました。
それまで、マンガ・アニメファンにとって聖さんは、『魔女っ子メグちゃん』、『コンドールマン』、そして『宇宙戦艦ヤマト』、『忍者キャプター』などテレビ作品のコミカライズを手掛ける端正なタッチのマンガ家という認識でした。
そして『超電磁マシーン ボルテスV』や『闘将ダイモス』、『未来ロボ ダルタニアス』などのキャラクター原案を手掛けられていました。
聖さんの描かれる可憐なヒロインや明るく快活な主人公、そして華のある敵キャラクターなどは魅力的でした。
『月刊OUT増刊 ランデヴー』では、『超人ロック』久しぶりの新作『新世界遊撃隊』を発表され、『アニメージュ』(徳間書店)でも創刊号から『黄金の戦士』を連載されます。『超人ロック』は『少年キング』(少年画報社)に移行し、連載を続けられました。
個人的には、『マンガくん』(小学館)に連載された、楽しいコメディー作の『くるくるパッX』も印象に残っています。
これまで魅力的な数多くの作品を描き続けてこられた、聖悠紀さんに感謝いたします。
1978年に同人出版された『超人ロック』
肉筆回覧誌に発表された第一作から収録されています。