当時アニメ製作では後発だった
国際映画社が、テレビ東京で『銀河旋風ブライガー』、フジテレビで『おちゃめ神物語コロコロポロン』(原作/吾妻ひでお)、日本テレビでは『魔境伝説アクロバンチ』と、次々に放映枠を獲得していました。
そして、テレビ朝日でもオリジナル企画の『スラングル』を決めたのです。この原動力には、プロデュサーの壷田重夫さんの卓越した営業力がありました。
原案とシリーズ構成は、山本優さん。キャラクターデザインは天野嘉孝さん。美術監督は千葉秀雄さん。シリーズディレクターには宮崎一哉さんという布陣でスタートしました。
音楽も山本正之さんのラップ調のオープニングテーマや、後半からの新田一郎さんによる新テーマも、ブラスが効いていて格好いい曲でした。
物語は、未来の宇宙にはびこる悪の組織クライムに対抗するため、各分野のプロを集めて結成された特殊チーム・ゴリラの活躍を描くアクション作です。
第1話と2話の前後編では、刑務所に入れられたメンバーの脱出がミッションでした。ただ慰問という名目で訪れたヒロイン・セクシーのダンスは色っぽく描かれ、お茶の間で見るには刺激的過ぎました。
ゴリラのメンバーは、それぞれ個性的でした。チームの冷静沈着なリーダー、キャプテン・チャンスは野島昭生さんの声もハマっていました。後に、チャンスは天野さんの当初のデザインから大幅に変更されたことを知り驚きました。
これは、スタジオに常駐されていた高橋朝雄さんによるものです。またセクシーに関してはキャラクター表が何通りかありました。スタッフの思い入れも強かったのかもしれません。
シリーズ後半には、番組強化のためか主役メカのスラングルはハイパーチェンジしますし、セクシーとスーパースターというメインキャラの二人が交代することになります。
この後半からは、チーフディレクターには小泉謙三さんが就かれました。
新たに登場したヒロイン・ドーリィやシュガーのデザインも高橋朝雄さんによるものでしたが、後半になると海外作画の回が増えたことで、作画的にはそれほど魅力的には描かれませんでした。
とはいえ一話完結で分かりやすいストーリーでしたので、一般的な人気はあり玩具の売れ行きも良かったのでしょう。
国際映画社としては、ロングランの52話が製作されました。
今も忘れられない、どこか不思議な魅力のあった作品です。
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