ミニカードファン必見 『昭和ウルトラマンカードクロニクル』
- 2023/03/25
- 06:30
これまで、ミニカードファンの間では話題になってきたムック『昭和特撮カードクロニクル』、『昭和アニメカードクロニクル』。昭和世代には懐かしいミニカードの全貌を解明し、その画像を紹介する労作です。
著者はライダーカード研究家の第一人者である、堤哲哉さんです。
その第3弾として、『昭和ウルトラマンカードクロニクル』が、2021年9月に出版されていました。
『昭和特撮カードクロニクル』では、『仮面ライダー』や『イナズマン』、『秘密戦隊ゴレンジャー』などの特撮作品を収録し、『昭和アニメカードクロニクル』は『マジンガーZ』から『宇宙戦艦ヤマト』、『ゲッターロボ』、そして『機動戦士ガンダム』が取り上げられていました。
第3弾の『昭和ウルトラマンカードクロニクル』は、『ウルトラマン』シリーズという特撮作品がメインということもあって、実は見逃していました。
ですが、本書には『ザ・ウルトラマン』のミニカードも収録されていました。これはアニメ作品ですが、確かに「ウルトラマンシリーズ」の一作でもあります。
発売当時『ザ・ウルトラマン』のミニカードは、なぜか1番から168番までは無く、いくら買っても169番以降しか出てきませんでした。
その謎が、本書でようやく解けました。実はメーカーである丸昌は、『ウルトラマン』から『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンレオ』、『ウルトラセブン』に続けて、『ザ・ウルトラマン』の番号をつけていたのです。しかもややこしいことに、211番以降は同じ番号で『帰ってきたウルトラマン』も出されていました。
当時は全絵柄を紹介するものなどなく、買い集めていくしかどんな絵が出されていたのかも知ることはできません。しかも子どもですから、箱買いするおこずかいもありませんでした。
今回、本書で昔買い揃えられなかったカードの全容を40年を経て、知ることができました。
ほかにも、当時のシスコのお菓子についていたカードなども収録されています。
確かに定価4180円となれば財布的にはきついのですが、これだけ膨大なカードを蒐集しその全容を明かす苦労を考えたら、頭が下がるのみです。
ページをめくりながら、おこずかいを握り締めて駄菓子屋にミニカードを買いに通った頃を、また思い出しました。
堤哲哉著『昭和ウルトラマンカードクロニクル』(辰巳出版)
よく見たら表紙にも『ザ・ウルトラマン』のカードはあったのですが、
オビに隠れていたので気づきませんでした。
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