あるマンガ家の航跡 天馬正人伝 その51
- 2023/04/09
- 06:30
■最後に (2)
タツノコ通信スクールの通販がきっかけとなり、天馬正人さんからご厚誼をいただけることになりました。
鷹の台にあったタツノコプロのスタジオにお誘いいただき、かつての社長室や、作画、彩色などスタッフルームをご案内していただいたこともあります。
吉田竜夫さんが、生前愛用されていた机もありました。
『宇宙エース』や『マッハGOGOGO』、『紅三四郎』、『ハクション大魔王』、『科学忍者隊ガッチャマン』、『ヤッターマン』などなど、数々の名作が生み出されてきた場に立てたことは、感慨深いものがありました。
その後、但馬オサムさんが吉田竜夫さんの半生をまとめられた『世界の子供たちに夢を』(メディアックス刊)。そしてアップルBOXクリエートの『スーパー・ゼット』などの編集協力で、折にふれ天馬さんやその作品について紹介させていただきました。
また、マンガショップから復刻されたたつみ勝丸名義『ジャガーの眼』(原作/高垣眸)や天馬さんの代筆作が収録された『スパーク・ダン』(桑田二郎/著)では編集協力とともに、奥様のご依頼で著作権の窓口も担当いたしました。
天馬さんのマンガ家時代の門下には、『ワイルド7』の望月三起也さんや古城武司さん、内山まもるさんなど多数の方がいらっしゃいます。
天馬さんは亡くなられ、マンガ・アニメを取り巻く環境も時代とともに激変しています。ですがマンガ、アニメの歴史とともに歩んでこられたその航跡は、決して失われることはありません。いろいろとお聞きしてきたエピソードの一端は、ここにご紹介してきました。
私も晩年に懇意にしていただいた者として、これまであまり表に出る事のなかった天馬正人というクリエイターの横顔とそのお仕事を少しでもお伝えできたとしたら幸いです。(了)
近年刊行された天馬正人さんの単行本
アップルBOXクリエート『スーパー・ゼット4』(原作/宮川一郎 漫画/天馬正人)、
マンガショップ『スパーク・ダン』(桑田二郎)、
『ジャガーの眼(上・下)』(原作/高垣眸 漫画/たつみ勝丸)
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