祝 川本征平さん、「日本アカデミー賞」協会特別賞受賞
- 2023/05/14
- 06:30
これは、映画製作の現場を支える職能に従事してきた人の栄誉を讃えることを目的とした賞です。今回はカースタントの雨宮正信さん、美術スタッフで装飾の小池直実さん、キャスティングプロデューサーの福岡康裕さんとともに、アニメーション映画の美術背景として、川本さんが選ばれました。
川本さんは、武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)卒業後、『ビッグX』『オバケのQ太郎』などの背景を手掛け、海外での遺跡発掘研究に参加されます。帰国後はアトリエロークを設立し、数々のテレビアニメーションの美術、背景を手掛けられました。
1979年(昭和54年)から始まったシンエイ動画の『ドラえもん』では、美術監督、美術設定として作品世界を支えられました。
大長編ドラえもんは、藤子・F・不二雄さんの原作マンガの連載と並行して制作されていたため、先行して美術設定を起こすことも任されていました。どれだけ藤子・F・不二雄さんから信頼されていたのかも分かります。
川本さんは、1973年(昭和48年)に放映された、日本テレビ版『ドラえもん』でも美術監督を担当されています。新旧両作に参加したメインスタッフは、川本さんだけでした。
また、『怪物くん』や『フクちゃん』、『オヨネコぶーにゃん』、『小公女セーラ』、『愛の若草物語』、『ピーターパンの冒険』など、様々な作品の美術監督や美術設定を手がけられました。
その後アトリエロークは後進に任して勇退され、ご自身の絵を描いていらっしゃいます。実は受賞後にご体調を崩して入院されていたそうですが、ご快復されたようで安心しました。
アニメーションでメインになるのはキャラクターですが、実は画面の大半を占めるのは背景画です。『ドラえもん』をはじめとして、私たちを魅了する様々な作品の背景美術を創り上げたお一人が川本さんでした。
そんなアニメ作品の画面を通じ川本さんの描き出す美術世界に親しんできたからこそ、どこかオリジナル絵画にも親しみを感じられるのかもしれません。
これからもお元気で、お過ごしいただきたいと思います。
川本征平さんの作品
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