幻のアニメ企画?『ストップ!にいちゃん』
- 2023/06/17
- 06:30
北九州出身のマンガ家といえば小倉ご出身の松本零士さんが有名ですが、その前には門司ご出身だった関谷ひさしさんがいらっしゃいます。
関谷ひさしさんといえば、野球マンガ『ジャジャ馬くん』や、『ファイト先生』。レースマンガ『少年NO.1』、『イナズマ野郎』。『ばんざい探偵長』、『ケンとすてきな仲間』など、昭和30年代から40年代にかけて数々のヒット作を出された方です。
どの作品も気持ちがよく、やさしく真っ直ぐな主人公が活躍する楽しい作品です。
その関谷ひさしさんの代表作のひとつに『ストップ!にいちゃん』があります。月刊誌『少年』(光文社)に1962年(昭和37年)新年号から、休刊になる1968年(昭和43年)3月号まで連載されました。
同誌の『鉄腕アトム』(手塚治虫)や『鉄人28号』(横山光輝)、『サスケ』(白土三平)などと並ぶ人気作でした。
オッチョコチョイで正義感の強くスポーツ万能の中学生・南郷勇一と、おとなしく常識人の弟・賢二の兄弟に隣家のサチコ、愛犬ボスなどを中心に展開する明朗学園マンガです。
ロングラン連載でしたが当時は新書版コミックスの出版はまだ定番ではなく、まずコダマプレスから一冊のみ発売されました。その後、虫コミックス(虫プロ商事)では1968年(昭和43年)から1970年(昭和45年)までで全13巻が刊行されました。虫コミックスでは『ケンとすてきな仲間』なども出されています。
実はこの関谷作品には、アニメ化の話があったようです。詳細は不明なのですが、入手時の情報では制作は虫プロだったようで、この企画の絵がありました。『ストップ!にいちゃん』の勇一くんと、『ケンとすてきな仲間』のケンちゃん、愛犬クツが並んでいます。
いろいろ虫プロOBの方などにお聞きしたことをまとめると、これは杉野昭夫さんが描かれたものだったようです。時期的に『あしたのジョー』を終え、『国松さまのお通りだい』を準備していた頃でしょうか。
確かに虫プロの系列で出版を担当していた虫プロ商事としても虫コミックスで好調のタイトルでしたから、アニメ化でよりコミックスの販売や版権ビジネスなどに力をいれるつもりだったかもしれません。
実際には、残念ながら両作ともテレビアニメ化はされませんでした。どうやら、関谷さんご自身も自作のアニメ化には積極的ではなかったとも聞いています。
このイラストを見ると、アニメで活躍する関谷ひさしさんのキャラクターたちをできれば見たかったと思っています。
ダイヤモンドコミックス『ストップ!にいちゃん』(コダマプレス刊)
アニメ企画イラスト
『ストップ!にいちゃん』と『ケンとすてきな仲間』の共演です。
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