明比正行さんインタビュー掲載『まんだらけZENBU』117号

　隔月刊の『まんだらけＺＥＮＢＵ　１１７号』が、８月２日に発売されました。

　

　今号は、今年２月に亡くなられた松本零士さんの大特集です。若き時代の単行本や画稿、直筆サイン、そしてアニメブームをけん引した『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道９９９』などのグッズまで勢ぞろいです。

　巻末からの単行本コーナーでは、松本あきら時代の単行本デビュー作『宇宙作戦第一号』や『星よ消えないで』上下巻、『青い花びら』や、珍しいハードカバー特装版の『緑の天使』など、新書判以前の単行本も掲載しています。

　グッズでは『ヤマト』や『９９９』、『宇宙海賊キャプテンハーロック』などの後年出されたドールや、放映当時からのグッズや玩具など様々なアイテムが紹介されています。

　初代『宇宙戦艦ヤマト』のセルや、『キャプテンハーロック』、『さよなら銀河鉄道９９９』の小松原一男さんによる修正原画も注目でした。

　「アニメーションインタビュー」は、『サイボーグ００９　超銀河伝説』や劇場版『１０００年女王』、『鋼鉄ジーグ』、ＴＶ版『銀河鉄道９９９』など、数々の東映動画作品の演出を手掛けてこられた明比正行さんです。

　明比さんは、子どものころから映画好きで、いつも映画館に通っておられました。そして、日本大学芸術学部を卒業後、東映に入社し助監督として佐伯清さんや今井正さんの作品に参加されます。佐久間間良子さんや千葉真一さん、美空ひばりさん、片岡千恵蔵さん、高倉健さんの出演作のスタッフとして、撮影所で正月以外休みがないという多忙な日々をおくられました。

　ですが隆盛を誇った映画もやがて斜陽となり、東映動画への転籍を打診されます。

　当時の東映動画は『狼少年ケン』などテレビシリーズが始まり、スタッフも不足していました。

　明比さんは『狼少年ケン』からアニメの演出を手がけられ、『ゲゲゲの鬼太郎』や『ミクロイドＳ』、『鋼鉄ジーグ』、『マジンガーＺ』、ＴＶ『銀河鉄道９９９』、『北斗の拳』『聖闘士星矢』『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』など、数多くの作品の演出に参加されました。

　アニメブーム時に製作されたテレビスペシャル作品も数多く手がけられ、今では見ることのできなくなっている隠れた名作『ルパン対ホームズ』も明比さんの演出でした。

　今回のインタビューでは、子どもの頃から実写映画の助監督時代、そして多忙を極めたテレビアニメの思い出や『サイボーグ００９　超銀河伝説』や劇場版『１０００年女王』でのご苦労など、いろいろと語っていただいています。

　

『まんだらけＺＥＮＢＵ　１１７号』（まんだらけ出版部刊）

巻末の松本零士さんの単行本特集には、アニメ界の盟友として『宇宙戦艦ヤマト』のチーフディレクター・石黒昇さんのデビュー作『宇宙の放浪児』（石黒昇流名義）も掲載されています。