謎のタツノコプロ作品？『コラルの探検』

  １９７９年（昭和５４年）４月から８０年３月まで、TBS系で放映されていた『コラルの探検』を覚えていますか。

　フランスとポーランド合作の人形アニメ番組です。

　物語は、美しの森に住むクマの子コラルと仲のいい友だちのカラスのクロー、ねずみのヘクターたちがサーカスや北極、宇宙などあちこちを舞台に活躍する作品でした。

　この本放送時には、日本独自のオープニングとエンディングが付けられていました。

　日本語吹き替え版の製作にタツノコプロとクレジットされていましたので、これはタツノコ側で新たに作られたようです。

　タツノコメルヘン調で描かれたコラルやクローたちも、可愛らしいキャラクターでした。

　海外作品ですが日本語版の制作がタツノコプロだったため、１９８８年に徳間書店から出版された『ＴＶアニメ２５年史』（アニメージュ編集部/編）にも掲載されています。

　タツノコ側からは、総監督として原征太郎さんが参加しておられました。吹き替えや編集などに携わられたのでしょう。

　キャストは、コラルに大杉久美子さん、クローに佐々木功さん、へクターに水木一郎さん、ナレーションは堀江美都子さんでした。

　大杉さんは、主題歌も歌われています。

　後になって１９９０年には、ＮＨＫ-ＢＳ２で放送されたそうですが、残念ながら初回放送時のオープニングとエンディングは使われなかったようです。

　日本独自の曲だったため、放映時の契約の問題もあったのかもしれません。

　いつか初回放送のタツノコプロ制作のオープニングとエンディングもつけた形で、『コラルの探検』を見ることができればと願っています。

栄光社『コラルの探検』絵本