若林忠生さんの6作品、九段下で展示
- 2023/09/30
- 06:30
先週、九段下の九段生涯学習館2階にある九段ギャラリ-で「旅とスケッチ グループ展」が行われていました。
9月20日から24日までで、有志による水彩スケッチで描いた絵画作品が60点ほど展示されました。
この中で、若林忠生さんも6点の風景画を出展されていました。
若林さんはといえば、TCJ(現エイケン)の『鉄人28号』や『遊星少年パピイ』などで活躍され、、第一動画の『黄金バット』や『妖怪人間ベム』のキャラクターデザインでもおなじみです。
現在はアニメーションの世界から引退され、水彩の風景画をメインに描き続けていらっしゃいます。
今回展示されたのは、「浜町公園」「ペリーロード(伊豆下田)」「賑わい」「迎春」「浅草寺(山門を望む)」「旧・前田邸」です。
これまで発表された作品もこうしてまとめて拝見すると、その描かれる世界がより印象的に感じられます。
若林さんはいつも古くから都内に残された歴史ある建物を中心とした風景画をメインに描いていらっしゃいますが、今回はめずらしく伊豆下田の風景画「ペリーロード」がありました。
ペリーロードは、その名のとおり江戸時代末期、黒船来航で知られるペリー提督が開港された下田を歩いたという歴史ある道筋です。この絵では、その途中にあった風情のあるお店を描かれました。
若林さんがちょうどいらっしゃったのでお聞きすると、下田へはバスツアーで遠征されたそうです。やはりどこか古くから残る味わい深い建物とその景色が気になるそうです。最近は人からのアドバイスで、そこを通る人々の姿も描くようにしておられます。
古くからの趣きのある建物の前に現代を生きる人たちの姿が描かれ、絵の中に不思議な時間の流れを感じます。
若林さんの絵の構図はどことなく映像的で、動きのある風景を切り取ったようです。これはアニメーターご出身ならではのことでしょう。
こうしたグループ展でまとまって作品を見せていただき、次は個展ですね、とお話しすると、「僕もやりたいんですけどね」と、笑っていらっしゃいました。
日々作品を描き続けていらっしゃる若林さんによる個展の実現も、楽しみにしています。
若林忠生「ペリーロード(伊豆下田)」
若林忠生さんお元気です。
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