5月10日(日)に板橋区にあるハイライフプラザいたばしAホールで行われた、「ひっそり祭SP~バルディオス毒舌トーク~」にお邪魔しました。
今年で放送35周年を迎える『
宇宙戦士バルディオス』を記念して行われた、中心スタッフお三方によるトークショーです。
制作会社葦プロ(現・プロダクションリード)の社長だった佐藤俊彦さん、原作構成・脚本構成を担当されていた酒井あきよしさん、そして、メカデザインを担当された佐藤元さんという豪華な顔ぶれによる『バルディオス』の制作秘話を、4時間に渡って存分にお聞きすることができました。
お話の中で印象に残ったことを2、3、ご紹介します。
当時、野村トーイからロボット物をと打診され、西荻窪近辺の旅館で企画を詰めた。
酒井あきよしさんと佐藤社長で、最初から勧善懲悪を超えた人間ドラマをテーマにして、男女の恋愛を縦糸に設定したのが企画の原点だった。あくまで人間を描こうとして、4話までロボットを出さなかった。
佐藤元さんは、未経験なのにいきなりロボットのデザインを振られ、しかもオモチャ会社からも何もデザイン案がこなかったため、まったくゼロの状態から合体変型のギミックまで創り上げていった。
実はオモチャは売れていたのに、スポンサーが経営的に行き詰って1月まではスポンサー料は出るが、それ以降が出ないことが分かり佐藤社長の判断で制作を打ち切ることになった。
当時佐藤社長ご自身はオモチャの売れ行きが良いのは認識していたが、支持しているアニメファンがそんなにいたことは分からなかった。6000円もする高い豪華本を、ファンが買ってくれて助けられた。
酒井さんは、TVでマリンとアフロディアのドラマがいよいよ佳境に入るというところで終了することになり、落ち込んでいた。ところがそれが一年足らずで映画化の報せを聞き、ラストまでまた作ってくれるのかという気持ちの高ぶりを覚えた。
などなど、他にも亡くなった広川監督のエピソード、キャスティングや映画化決定時のことなど、ファンにはたまらない秘話続出の濃密な4時間でした。
会場には、当時のアニメ雑誌やオモチャ、そしてセル画や原画まで展示され、『バルディオス』一色の空間となっていました。私も『
宇宙戦士バルディオス』の放映を毎週楽しみにしていた頃を、懐かしく思い出しました。
当時の貴重なお話をしてくださったお三方と、この楽しいイベントを企画運営していただいた方々に感謝です。
会場入り口のポスター

会場内に展示された懐かしい本やグッズの数々

ちなみに当日の話題で、ミニカードはTV放映中には出ていなかったとのことでしたが、
当時このカードは販売されていたと思います。葦プロスタジオ近辺の駄菓子屋さんには
入荷していなかったのかもしれません。
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