藤子スタジオの初期『ドラえもん』時代が分かる貴重な証言
- 2015/08/05
- 23:10
『まいっちんぐマチコ先生』でおなじみのえびはら武司さんの新刊『藤子スタジオ アシスタント日記』(竹書房刊)が発売されました。
えびはらさんは、1973年(昭和48年)8月に藤子スタジオにアシスタントとして入社されました。その頃は、藤子不二雄さんお二人は分かれておらず、まだ仕事場も一緒だったそうです。
元々藤子作品のファンだったというえびはらさんは、藤本弘(藤子・F・不二雄)さんに直談判して入社したファン出身のアシスタント第一号でした。
当時学年誌に連載中だったという『ドラえもん』はコミックスもまだ出ておらず、ようやく全6巻として版元から企画が上がったくらいの時期です。
ちょうど日本テレビで最初のアニメとなる『ドラえもん』(制作/日本テレビ動画)が放映されていましたから、その流れもあり単行本化も決まったのかもしれません。
そのアニメ版も最終回を迎え、編集側もそろそろ止めようと言ってきたりと、藤子・F・不二雄さんにとっても不遇の時代でもありました。
仕事も藤子不二雄A(安孫子素雄)さんの方が忙しくなり、当時10人ほどいたアシスタントのうち、藤本さんを手伝うのは、えびはらさんだけだったようです。
藤本さんも『ドラえもん』が久しぶりの単行本の作業で、たくさんの原稿のなかから全6巻をひとつのパッケージとして、構成を考えられておられました。
ただ一旦は全6巻で完結した『ドラえもん』がその後、復活し45巻まで続いたのはご存知の通りです。
版元の小学館も売れ行きの良さに続刊を望み、藤本さんも再開をお考えになっておられた頃、スタジオのテレビに映っていた『帰ってきたウルトラマン』がアイデアの元になり、7巻の「帰ってきたドラえもん」から再スタートしたのです。
それ以外にも、アシスタント同士のなぞなぞの答えを知りたくて、コインを出して教えてもらおうとするお茶目な姿や、毎朝必ず午前10時35分に出勤する真面目な姿。また、ひたすら黙々と原稿に向かい、アシスタントの誰とも会話をすることの無い日もあったという真摯な創作姿勢。
えびはらさんの目から見た、そんな藤子・F・不二雄さんの素顔が、とても魅力的に描かれています。えびはらさんが藤子スタジオを辞めることを決意しつつも、なかなか言い出せない時、藤本さんがその心中を察して話を振ってくれる場面は、お二人の信頼関係も分かり印象的なエピソードでした。
えびはら武司さんの新刊『藤子スタジオ アシスタント日記』。是非オススメしたい一冊です。

デートを続けていたという同じアシスタントだったM原さんとは、
結局どうなったのでしょうか。読者として、とても気になるところです。
えびはらさんは、1973年(昭和48年)8月に藤子スタジオにアシスタントとして入社されました。その頃は、藤子不二雄さんお二人は分かれておらず、まだ仕事場も一緒だったそうです。
元々藤子作品のファンだったというえびはらさんは、藤本弘(藤子・F・不二雄)さんに直談判して入社したファン出身のアシスタント第一号でした。
当時学年誌に連載中だったという『ドラえもん』はコミックスもまだ出ておらず、ようやく全6巻として版元から企画が上がったくらいの時期です。
ちょうど日本テレビで最初のアニメとなる『ドラえもん』(制作/日本テレビ動画)が放映されていましたから、その流れもあり単行本化も決まったのかもしれません。
そのアニメ版も最終回を迎え、編集側もそろそろ止めようと言ってきたりと、藤子・F・不二雄さんにとっても不遇の時代でもありました。
仕事も藤子不二雄A(安孫子素雄)さんの方が忙しくなり、当時10人ほどいたアシスタントのうち、藤本さんを手伝うのは、えびはらさんだけだったようです。
藤本さんも『ドラえもん』が久しぶりの単行本の作業で、たくさんの原稿のなかから全6巻をひとつのパッケージとして、構成を考えられておられました。
ただ一旦は全6巻で完結した『ドラえもん』がその後、復活し45巻まで続いたのはご存知の通りです。
版元の小学館も売れ行きの良さに続刊を望み、藤本さんも再開をお考えになっておられた頃、スタジオのテレビに映っていた『帰ってきたウルトラマン』がアイデアの元になり、7巻の「帰ってきたドラえもん」から再スタートしたのです。
それ以外にも、アシスタント同士のなぞなぞの答えを知りたくて、コインを出して教えてもらおうとするお茶目な姿や、毎朝必ず午前10時35分に出勤する真面目な姿。また、ひたすら黙々と原稿に向かい、アシスタントの誰とも会話をすることの無い日もあったという真摯な創作姿勢。
えびはらさんの目から見た、そんな藤子・F・不二雄さんの素顔が、とても魅力的に描かれています。えびはらさんが藤子スタジオを辞めることを決意しつつも、なかなか言い出せない時、藤本さんがその心中を察して話を振ってくれる場面は、お二人の信頼関係も分かり印象的なエピソードでした。
えびはら武司さんの新刊『藤子スタジオ アシスタント日記』。是非オススメしたい一冊です。

デートを続けていたという同じアシスタントだったM原さんとは、
結局どうなったのでしょうか。読者として、とても気になるところです。
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