■スチール写真
アニメショップでは、人気作品の紙焼き写真を販売していました。元々東映動画では、ブーム初期より人気作品のスチール写真を販売していました。親会社が映画会社でしたから、映画館用のスチールなどの扱いは慣れていたのでしょう。
1977年(昭和52年)7月発行の同社の「作品資料カタログ」には、『サイボーグ009』や『レインボー戦隊ロビン』、そして『太陽の王子 ホルスの大冒険』のキャビネ版のスチールが掲載されていました。その後『惑星ロボ ダンガードA』や『宇宙海賊キャプテンハーロック』、『銀河鉄道999』なども発売されました。
他社でも日本アニメーションでは、『フランダースの犬』など名作劇場作品のスチールも販売されていました。その後、東映本社作品である『超電磁ロボ コンバトラーV』や『超電磁マシーン ボルテスV』、『闘将ダイモス』などは、一回り小さいサイズのスチール写真も出始め、人気商品となっていきました。
スチール写真はキャビネ版でモノクロが一枚300円、カラーが一枚400円と絵はがきと比べて単価も高く、当時のアニメファンにとっては高価でなかなか手が出ない商品でした。ただ、一枚一枚印画紙に焼き付けた写真は高級感もあり、好きな作品の本編の一コマや宣伝用に描かれた絵は貴重なものだったのです。
当時の映画館には入口付近の外壁にスチールを飾るガラスケースがあって、上映中の作品のスチールも掲示されていました。
映画館関係者などの親せきがいたアニメファンは、上映の終わったアニメ作品のスチールをもらって、大事にしていたようです。これはとても羨ましいことでした。
ファンにとっては、1枚1枚フィルムから焼き付けていたスチール写真は、自分と作品を繋いでくれるブロマイドのようなものに思えていたのかもしれません。(つづく)
アニメブーム当時販売されていたスチール写真の数々。
左上の『パンダコパンダ』は映画館の宣伝用スチールです。
劇場版『あしたのジョー2』の公開時に貼られていたスチール写真。
四隅に画びょうのあとがあります。ハーモニーの絵なので、モノクロでもホセの存在感が際立ちます。
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