国際映画社が駆け抜けた時代(その5)
- 2014/05/24
- 10:25
メインキャラクターとゲストキャラクターのイメージがあまりに違い過ぎた『銀河旋風ブライガー』でしたが、そのままにしていると作品世界の展開にも支障が出ると、さすがに制作側も考えたのでしょうか。
『ブライガー』のシリーズ中盤には、物語の鍵を握る人物となるヌビアコネクションの若き盟主となるカーメン・カーメンが登場しましたが、そのデザインをメインキャラクターをデザインした小松原一男さんに依頼しました。
これは次の『銀河烈風バクシンガー』でも、同様でした。
通常のゲストキャラクターは、現地のアニメーターがそのまま起こしたデザインを使用していましたが、途中から登場した物語に重要な役割を果たすことになる、ユーリ・カズン・アーウィンなどは、小松原さんに依頼しています。
この当時の「J9シリーズ」における日韓をまたいだ制作体制変遷史はとても興味深く、それ自体でも一冊の読み物が出来るくらいだと思います。
まだまだネット環境の無い時代でしたから、航空便で原画など現物のやりとりを絶えず行わなければなりません。荷物の行き違いなども時には起きますし、日本側の演出チェックが済んだ原画でも、向こうの作画監督を飛ばしてそのまま動画にまわってしまい、妙に崩れた表情のセルがそのまま上がってくるなんてこともありました。そうなると、顔の部分だけ日本側で動画を描き直してセルを起こし、新たに撮影し直すリテイク作業なども結構あったようです。
シリーズ2作目となった『銀河烈風バクシンガー』のオープニングは、なんと荒木伸吾さんが担当され、その華麗な作画が当時話題を呼びました。もしかして本編も、と期待したファンも多かったのですが、それは残念ながら実現しませんでした。
後に荒木さんにお聞きしましたが、これは最初からオープニング、エンディングのみということでの依頼だったそうです。
『バクシンガー』は、大元のベースとなったテーマが元々新撰組だったせいか、他の二作に比べ少々重く、最終的にも報われない悲劇的なストーリーなりました。
この作品には、いつものレギュラーのキャスティングの中に新たに徳丸完さんが配され、個性的なリーダー、ドン・コンドール(ディゴ)を見事に演じてくれました。オープニングのイキなナレーションもそうでしたが、本編も徳丸さんの熱演もあって見事にはまり、『バクシンガー』という作品世界に無くてはならない役割を果たされました。
山本正之さんの挿入歌も素晴らしく、エンディングの「アステロイド・ブルーズ」や、「マイ ソウル ジャーニー」、「ビリー・ザ・ショット」など、印象に残る名曲が多かったのも『バクシンガー』ならではでしょう。
違和感があったとすれば、まず後半のライラの戦闘服の変更です。顔を覆うヘルメットもそうですが、あの水着のようなコスチュームはまず戦闘服らしくありませんし、高貴な血筋という設定にはまったく合わず戸惑いました。
そして、一番大きかったのは最終回のJ9Ⅱメンバーたちの死に様でしょうか。悲劇的な結末は覚悟していましたが、それにしてもあまりにあっけなさ過ぎでした。
TVシリーズをずっと見続けてきた者からすると、散華していくにせよ、あれだけシリーズを通して頑張ってきたキャラクターたちの散り際を、せめてもう少し情感たっぷりに描写してあげられなかったのか、と思い入れも強かっただけに感じました。(続く)

『銀河烈風バクシンガー』動画です。
『ブライガー』のシリーズ中盤には、物語の鍵を握る人物となるヌビアコネクションの若き盟主となるカーメン・カーメンが登場しましたが、そのデザインをメインキャラクターをデザインした小松原一男さんに依頼しました。
これは次の『銀河烈風バクシンガー』でも、同様でした。
通常のゲストキャラクターは、現地のアニメーターがそのまま起こしたデザインを使用していましたが、途中から登場した物語に重要な役割を果たすことになる、ユーリ・カズン・アーウィンなどは、小松原さんに依頼しています。
この当時の「J9シリーズ」における日韓をまたいだ制作体制変遷史はとても興味深く、それ自体でも一冊の読み物が出来るくらいだと思います。
まだまだネット環境の無い時代でしたから、航空便で原画など現物のやりとりを絶えず行わなければなりません。荷物の行き違いなども時には起きますし、日本側の演出チェックが済んだ原画でも、向こうの作画監督を飛ばしてそのまま動画にまわってしまい、妙に崩れた表情のセルがそのまま上がってくるなんてこともありました。そうなると、顔の部分だけ日本側で動画を描き直してセルを起こし、新たに撮影し直すリテイク作業なども結構あったようです。
シリーズ2作目となった『銀河烈風バクシンガー』のオープニングは、なんと荒木伸吾さんが担当され、その華麗な作画が当時話題を呼びました。もしかして本編も、と期待したファンも多かったのですが、それは残念ながら実現しませんでした。
後に荒木さんにお聞きしましたが、これは最初からオープニング、エンディングのみということでの依頼だったそうです。
『バクシンガー』は、大元のベースとなったテーマが元々新撰組だったせいか、他の二作に比べ少々重く、最終的にも報われない悲劇的なストーリーなりました。
この作品には、いつものレギュラーのキャスティングの中に新たに徳丸完さんが配され、個性的なリーダー、ドン・コンドール(ディゴ)を見事に演じてくれました。オープニングのイキなナレーションもそうでしたが、本編も徳丸さんの熱演もあって見事にはまり、『バクシンガー』という作品世界に無くてはならない役割を果たされました。
山本正之さんの挿入歌も素晴らしく、エンディングの「アステロイド・ブルーズ」や、「マイ ソウル ジャーニー」、「ビリー・ザ・ショット」など、印象に残る名曲が多かったのも『バクシンガー』ならではでしょう。
違和感があったとすれば、まず後半のライラの戦闘服の変更です。顔を覆うヘルメットもそうですが、あの水着のようなコスチュームはまず戦闘服らしくありませんし、高貴な血筋という設定にはまったく合わず戸惑いました。
そして、一番大きかったのは最終回のJ9Ⅱメンバーたちの死に様でしょうか。悲劇的な結末は覚悟していましたが、それにしてもあまりにあっけなさ過ぎでした。
TVシリーズをずっと見続けてきた者からすると、散華していくにせよ、あれだけシリーズを通して頑張ってきたキャラクターたちの散り際を、せめてもう少し情感たっぷりに描写してあげられなかったのか、と思い入れも強かっただけに感じました。(続く)

『銀河烈風バクシンガー』動画です。
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