思い出のアニメグッズ⑫

■パンフレット

　１９７７年（昭和５２年）に公開された『宇宙戦艦ヤマト』の劇場版パンフレットの登場は、画期的なものでした。
　それまでもアニメ映画は公開されていましたが、あくまでお子様向けの「まんが映画」扱いで、ディズニー長編などの海外作品とは扱いが違いました。

　「東映まんがまつり」やゴジラ映画などの「東宝チャンピオンまつり」にも、『巨人の星』など人気のテレビアニメ作品も併映されていました。ただ映画館で販売されるパンフレットは子ども向けの絵本のようなつくりで、付録にぬりえがつくこともありました。
　アニメファンの求めていた、作品の詳細を紹介する記事などが掲載されるものは無かったのです。

　それが、１９７７年（昭和５２年）の劇場版『宇宙戦艦ヤマト』から、映画の内容をしっかりと紹介してくれる構成になったのです。翌年公開された『さらば宇宙戦艦ヤマト』、劇場版『科学忍者隊ガッチャマン』、『ルパン三世（マモー編）』などの作品からは、アニメファンの欲求に応えられるパンフレットが出始めました。

　Ａ４版で中綴じの小冊子であるパンフレットは、アニメファンの人気商品になりました。上映中の映画館だけでなく、アニメショップでも定番の商品となっていったのです。それに気づいた制作会社でも、テレビアニメ作品でもパンフレットを作るようになりました。劇場公開はなくても販路として、当時は各地にアニメショップがあったことも大きいでしょう。

　東映動画は、モノクロ版『サイボーグ００９』や『宇宙海賊キャプテンハーロック』。日本アニメーションでも『愛の学校クオレ』などを発行していました。

　まだまだビデオデッキなど高価で、一般家庭にはなかなか流通していなかった時代です。パンフレットを拡げて、お気に入りのアニメ作品に思いを馳せていたファンも多かったのです。（つづく）


やはり初期の『宇宙戦艦ヤマト』、『科学忍者隊ガッチャマン』、
『さらば宇宙戦艦ヤマト』、『ルパン三世』などのパンフレットは
何度も繰り返し読んでいたので、今でも覚えています。



当時販売されていたパンフレット。
『サイボーグ００９』や『宇宙海賊キャプテンハーロック』、
『愛の学校クオレ』、そしてタツノコプロのテレビスペシャル
で親子映画としても公開された『あしながおじさん』です。