国際映画社が駆け抜けた時代(その6)
- 2014/05/25
- 06:23
国際映画社の“J9シリーズ”3作目となった『銀河疾風サスライガー』では、海外発注ルートはそのままでしたが、制作体制は自社スタジオ主導にシフトしたようです。
原画も、国内で作画する回も入ってきました。オープニングも前二作のグレードに比べると普通に戻ったかもしれません。
こちらは本編の作品世界に合っており、機関車発車音で始まるような明るく軽快な曲は、『サスライガー』にふさわしいオープニングでした。ギターソロの間に描かれるパステル調に描かれた各キャラクターの雰囲気も本編同様で洒落てました。
ただ、それまでの二作のオープニングがあまりにも豪華すぎたので、期待を裏切られたアニメファンも多かったようです。
アイキャッチでは『ブライガー』のキッドによるダブルネックギター、『バクシンガー』のビリーによるショルダ-・キーボードに続いて、『サスライガー』ではロックがブルースハープを吹く姿もハマってました。
余談ですが、四辻さんもハープを吹くので、ロックに吹かせたのだそうです。リトル・ウォルターか、ポール・バタフィールドあたりがお好みなのかなと以前お尋ねしましたら、四辻さんのフェイバリット・ハーピストは、ジョン・メイオールだったそうで、それも納得できました。
なにより四辻さんは、あの頃のアニメなのに、J・J・リッチマンというキャラクターに、黄緑色のズートスーツを着せたくらいの趣味人でした。(脱線ついでに、私はモデルはキャブ・キャロウェイだと思っていましたが、四辻さんのイメージは、キッド・クレオールだったそうです)
本編の作画はそれまでと同じく、シリーズ初期までは韓国の大元動画と世映動画と教育動画の三社がメインでした。シリーズ中盤からは、世映動画と教育動画の二社体制となり、途中から時々ベテラン落合正宗さんの作画監督の回があったり、吉祥寺にあったムッシュオニオンプロダクションなども原画で、参加してくれました。
国内原画の回は見ていても絵が違いましたので判別がつき、目指していただろう洒落た雰囲気もより分かる感じがしました。
海外班も3作目に入りかなり馴れてきたのか、これまでの3作で一番作画もしっくりしていたと思います。絵のタッチもちょっと劇画調になるのが教育動画で、多少絵柄が可愛いのが世映動画と見分けもつきました。
懸案だった各話のゲストキャラクターのデザインも『サスライガー』では日本側で担当し、村田四郎さんや、斉藤格さん、小山涼さんが作品世界に合ったゲストキャラをデザインしてくれました。
人気の高かったエピソードである14話「哀愁のベルナー湖」も実は、小山涼さんによる悲劇のヒロイン、ステファニア・バルドンヌの可憐な少女時代と成長後、そして少年時代のI・C・ブルースのデザインの良さが悲劇のドラマをより引き立てていたと思います。
ロックの父や、バーディの姉、そしてバーディの離婚している両親などのデザインも、しっかりと『サスライガー』の世界にハマっていました。これは『ブライガー』時の、アイザックの少年時代や、再婚するキッドの母などあまりに違和感のあるキャラデザインに対し持っていた鬱憤を晴らしてくれました。
当初の予定より短縮され、駆け足で迎えた最終回の43話「ハピィ・ウェディング」も印象的でした。前話のタッチダウン達成後、ジミーとスージーの結婚式をメインに、フルザ・ゲルナーとロックの嵐の中の最後の対決などドラマチックなエピソードの回となりました。
この回は世映動画と教育動画、それまでローテーションを担ってきた二つの会社による最初で最後の合同制作となったのです。AパートBパートで分けるのではなく、大まかなシーンごとにそれぞれ振り分けられ、これまで「J9シリーズ」を支えてきた両社スタッフによる三部作ファイナルにふさわしい布陣でした。
最後にはスタッフからのメッセージだったのか、『ブライガー』、『バクシンガー』、『サスライガー』のそれぞれのJ9メンバーもメインストーリーが終了後、カーテンコールに応えるかのように登場してくれました。
『サスライガー』のエンディングでは、ビートが「J9V(5)」のシナリオを読んでいる姿が出ていましたが、そのうち実現しないかな、と思っていたのは決して私だけではなかったと思います。(続く)

『銀河疾風サスライガー』動画です。
原画も、国内で作画する回も入ってきました。オープニングも前二作のグレードに比べると普通に戻ったかもしれません。
こちらは本編の作品世界に合っており、機関車発車音で始まるような明るく軽快な曲は、『サスライガー』にふさわしいオープニングでした。ギターソロの間に描かれるパステル調に描かれた各キャラクターの雰囲気も本編同様で洒落てました。
ただ、それまでの二作のオープニングがあまりにも豪華すぎたので、期待を裏切られたアニメファンも多かったようです。
アイキャッチでは『ブライガー』のキッドによるダブルネックギター、『バクシンガー』のビリーによるショルダ-・キーボードに続いて、『サスライガー』ではロックがブルースハープを吹く姿もハマってました。
余談ですが、四辻さんもハープを吹くので、ロックに吹かせたのだそうです。リトル・ウォルターか、ポール・バタフィールドあたりがお好みなのかなと以前お尋ねしましたら、四辻さんのフェイバリット・ハーピストは、ジョン・メイオールだったそうで、それも納得できました。
なにより四辻さんは、あの頃のアニメなのに、J・J・リッチマンというキャラクターに、黄緑色のズートスーツを着せたくらいの趣味人でした。(脱線ついでに、私はモデルはキャブ・キャロウェイだと思っていましたが、四辻さんのイメージは、キッド・クレオールだったそうです)
本編の作画はそれまでと同じく、シリーズ初期までは韓国の大元動画と世映動画と教育動画の三社がメインでした。シリーズ中盤からは、世映動画と教育動画の二社体制となり、途中から時々ベテラン落合正宗さんの作画監督の回があったり、吉祥寺にあったムッシュオニオンプロダクションなども原画で、参加してくれました。
国内原画の回は見ていても絵が違いましたので判別がつき、目指していただろう洒落た雰囲気もより分かる感じがしました。
海外班も3作目に入りかなり馴れてきたのか、これまでの3作で一番作画もしっくりしていたと思います。絵のタッチもちょっと劇画調になるのが教育動画で、多少絵柄が可愛いのが世映動画と見分けもつきました。
懸案だった各話のゲストキャラクターのデザインも『サスライガー』では日本側で担当し、村田四郎さんや、斉藤格さん、小山涼さんが作品世界に合ったゲストキャラをデザインしてくれました。
人気の高かったエピソードである14話「哀愁のベルナー湖」も実は、小山涼さんによる悲劇のヒロイン、ステファニア・バルドンヌの可憐な少女時代と成長後、そして少年時代のI・C・ブルースのデザインの良さが悲劇のドラマをより引き立てていたと思います。
ロックの父や、バーディの姉、そしてバーディの離婚している両親などのデザインも、しっかりと『サスライガー』の世界にハマっていました。これは『ブライガー』時の、アイザックの少年時代や、再婚するキッドの母などあまりに違和感のあるキャラデザインに対し持っていた鬱憤を晴らしてくれました。
当初の予定より短縮され、駆け足で迎えた最終回の43話「ハピィ・ウェディング」も印象的でした。前話のタッチダウン達成後、ジミーとスージーの結婚式をメインに、フルザ・ゲルナーとロックの嵐の中の最後の対決などドラマチックなエピソードの回となりました。
この回は世映動画と教育動画、それまでローテーションを担ってきた二つの会社による最初で最後の合同制作となったのです。AパートBパートで分けるのではなく、大まかなシーンごとにそれぞれ振り分けられ、これまで「J9シリーズ」を支えてきた両社スタッフによる三部作ファイナルにふさわしい布陣でした。
最後にはスタッフからのメッセージだったのか、『ブライガー』、『バクシンガー』、『サスライガー』のそれぞれのJ9メンバーもメインストーリーが終了後、カーテンコールに応えるかのように登場してくれました。
『サスライガー』のエンディングでは、ビートが「J9V(5)」のシナリオを読んでいる姿が出ていましたが、そのうち実現しないかな、と思っていたのは決して私だけではなかったと思います。(続く)

『銀河疾風サスライガー』動画です。
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- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
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