国際映画社が駆け抜けた時代(その7)
- 2014/05/31
- 09:10
国際映画社といえば同社作品中一番のロングシリーズとなった、1983年(昭和58年)に放映開始された『亜空大作戦スラングル』も外せないでしょう。
いきなり第1話では潜入した監獄内で際どいセクシーショーを始めてしまうという異色のヒロイン、セクシーや、おかっぱ頭の冷静沈着なリーダー、キャプテン・チャンス、直情径行型で単細胞なヒーロー、ジェット、どんな人物にも変幻自在に変装できるマジシャンなど、個性的な登場人物が揃っていたのも魅力的でした。
原案・シリーズ構成を担った山本優さんも新しい才能を投入すべく、特撮系ライターの聖咲奇さんや、当時十代だった会川昇さんをシナリオに起用しました。
他の国際映画社作品に比べて、色調を抑え気味で硬質にした千葉秀雄さんの美術も、未来の宇宙都市やメカニック、各惑星を舞台にしたストーリーにしっかり合っていました。
話数によって、セクシーの顔が丸顔になったり大人びたりと毎回ころころ変わるのは、各話の作画監督やアニメーターのお好みの女性像なのかな、なんて変な意味でも楽しめました。セクシー自身もその名のとおりサービスシーンも多く、喜んで見ていた男性ファンも多かったのではないでしょうか。ただ1話のショーは、色っぽすぎて、当時は刺激的過ぎる気もしました。
ですが一番驚かされたのは、後に同人誌で明かされたキャプテン・チャンスの大元のキャラクターデザインでした。
なんと天野嘉孝さんが当初描かれたデザインではワイルドな長髪でしたが、おかっぱ頭ではありませんでした。それを、第1話の作画監督だった高橋朝雄さんがあのヘアースタイルにデザイン変更したようなのです。これはどなたの指示だったのでしょうか。
元のデザインのチャンスも格好良いのですが、ずっと見続けていた者にとっては、今となってはやキャプテン・チャンスと言えばあのヘアスタイルしか考えられません。あの声、あの髪型こそが、まさしくキャプテン・チャンスなのです。
この作品は、シリーズ前半と後半でかなり雰囲気が変わりました。それはチーフディレクターの交代が、大きな要因だったのでしょう。前半で人気が高かったヒロイン、セクシーと渋い役どころだったスーパースターが退場し、シリーズ後半から新たにドーリーとシュガーが登場します。
セクシーが26話「ゴリラ基地襲撃」でいきなり大怪我を負いチームを離脱してしまうストーリーには、またまた驚かされました。しかも主人公側のボス、ドク・マンディも殺されてしまい、後半は記憶を記録したコンピューターになってしまうのです。
これは後半のチーフディレクターとなった小泉謙三さんに、それまでのイメージと劇的に変えるために自分が提案して主役側を交代させることになった、と後に伺ったことがあります。
また前半は幾分軽いゲーム的な感覚もあったストーリーも、敵側のフォルクレーザーがクライム総統として台頭し、巨大悪の組織クライム対ゴリラチームという図式が、より明確化されました。
メカニックも、スラングルを戦闘用に強化するため、後半からはエアロ・マイティが登場しました。スラングルと合体して、より強力なハイパースラングルとなるのです。(続く)

『亜空大作戦スラングル』原画と動画です。
いきなり第1話では潜入した監獄内で際どいセクシーショーを始めてしまうという異色のヒロイン、セクシーや、おかっぱ頭の冷静沈着なリーダー、キャプテン・チャンス、直情径行型で単細胞なヒーロー、ジェット、どんな人物にも変幻自在に変装できるマジシャンなど、個性的な登場人物が揃っていたのも魅力的でした。
原案・シリーズ構成を担った山本優さんも新しい才能を投入すべく、特撮系ライターの聖咲奇さんや、当時十代だった会川昇さんをシナリオに起用しました。
他の国際映画社作品に比べて、色調を抑え気味で硬質にした千葉秀雄さんの美術も、未来の宇宙都市やメカニック、各惑星を舞台にしたストーリーにしっかり合っていました。
話数によって、セクシーの顔が丸顔になったり大人びたりと毎回ころころ変わるのは、各話の作画監督やアニメーターのお好みの女性像なのかな、なんて変な意味でも楽しめました。セクシー自身もその名のとおりサービスシーンも多く、喜んで見ていた男性ファンも多かったのではないでしょうか。ただ1話のショーは、色っぽすぎて、当時は刺激的過ぎる気もしました。
ですが一番驚かされたのは、後に同人誌で明かされたキャプテン・チャンスの大元のキャラクターデザインでした。
なんと天野嘉孝さんが当初描かれたデザインではワイルドな長髪でしたが、おかっぱ頭ではありませんでした。それを、第1話の作画監督だった高橋朝雄さんがあのヘアースタイルにデザイン変更したようなのです。これはどなたの指示だったのでしょうか。
元のデザインのチャンスも格好良いのですが、ずっと見続けていた者にとっては、今となってはやキャプテン・チャンスと言えばあのヘアスタイルしか考えられません。あの声、あの髪型こそが、まさしくキャプテン・チャンスなのです。
この作品は、シリーズ前半と後半でかなり雰囲気が変わりました。それはチーフディレクターの交代が、大きな要因だったのでしょう。前半で人気が高かったヒロイン、セクシーと渋い役どころだったスーパースターが退場し、シリーズ後半から新たにドーリーとシュガーが登場します。
セクシーが26話「ゴリラ基地襲撃」でいきなり大怪我を負いチームを離脱してしまうストーリーには、またまた驚かされました。しかも主人公側のボス、ドク・マンディも殺されてしまい、後半は記憶を記録したコンピューターになってしまうのです。
これは後半のチーフディレクターとなった小泉謙三さんに、それまでのイメージと劇的に変えるために自分が提案して主役側を交代させることになった、と後に伺ったことがあります。
また前半は幾分軽いゲーム的な感覚もあったストーリーも、敵側のフォルクレーザーがクライム総統として台頭し、巨大悪の組織クライム対ゴリラチームという図式が、より明確化されました。
メカニックも、スラングルを戦闘用に強化するため、後半からはエアロ・マイティが登場しました。スラングルと合体して、より強力なハイパースラングルとなるのです。(続く)

『亜空大作戦スラングル』原画と動画です。
- 関連記事
-
- 国際映画社が駆け抜けた時代(その9)
- 国際映画社が駆け抜けた時代(その8)
- 国際映画社が駆け抜けた時代(その7)
- 国際映画社が駆け抜けた時代(その6)
- 国際映画社が駆け抜けた時代(その5)
- テーマ:懐かしいアニメ作品
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:国際映画社
- CM:0
- TB:0