九里一平さんの明朗航空マンガ『少年スピード王』ついに復刊②
- 2015/10/24
- 07:30
昭和40年代以降、タツノコプロとして本格的にアニメ制作に突入すると、吉田さんも九里さんも多忙となり、マンガは描かなくなっていきます。そのためか、お二人の作品もあまり書店では出回らなくなっていました。
新書版コミックスも、『マッハGOGOGO』(吉田竜夫/著)や『少年忍者部隊月光』(吉田竜夫/著)のサンコミックス(朝日ソノラマ)や、サンデーコミックス(秋田書店)の『ハリス無段』(梶原一騎/原作 吉田竜夫/画)などが発行されたのですが、昭和五十年頃にはいずれも品切れになり、書店では購入できなくなっていたのです。
アニメ作品でタツノコの絵柄が好きになっていた私は、吉田さんや九里さんの作品を探すのに大変苦労したことを覚えています。小学生の頃、ボロボロになり埃をかぶったサンデーコミックスの『ハリス無段』を貸本屋の店頭で見つけ、無理にお願いして譲ってもらったこともありました。
それ以降も、貸本の単行本や雑誌付録でお二人の作品を探していました。雑誌付録は連載の途中ではありましたが、それでも爽やかな主人公たちの活躍を読めるのが楽しみだったのです。
現在はマンガショップで、『ハリス無段』や『チャンピオン太』(梶原一騎/原作 吉田竜夫/画)、『パイロットA』(吉田竜夫/著)『マッハ三四郎』(久米みのる/原作 吉田竜夫/構成 九里一平/画)などが復刻されています。名作マンガが手軽に入手できるのは、とてもありがたい時代です。
ただ、まだ単行本化されていない作品も多数あるのです。実はその中のひとつ『少年スピード王』(久米みのる/原作 九里一平/画)が、この度同人復刻という形で出版されました。
発行は、これまでも横山光輝作品や、桑田次郎作品、貝塚ひろし作品、そして久松文雄作品などの同人復刻を地道に手がけてきたアップルBOXクリエートです。実は、九里一平さんの作品では、以前に『マッハ三四郎』も復刻していましたが、『ファイター健』(全2巻)というファンの間では人気の高かった未復刻の作品も刊行してくれています。
この『少年スピード王』、『マッハGOGOGO』の三船剛とお父さんの関係を彷彿とさせる、主人公アキラと敏腕技術者の父。可愛いらしい兄思いの妹と、九里さんのペンタッチも冴えています。もちろん、『大空の誓い』と同様、シャープなメカニック描写や迫力の構図、ポーズの決まったアクションシーンなど、見ごたえもばっちりです。
以降も続刊とのことですので、今後も、九里一平さんの作品が復刻で読めることを楽しみにしています。(了)

アップルBOXクリエート刊『少年スピード王』第1巻
まんだらけや、神保町の夢屋書店、新小岩の古書店・誓和堂でも購入できます。
左は当時九里さんの描かれた『少年スピード王』の画稿です。
新書版コミックスも、『マッハGOGOGO』(吉田竜夫/著)や『少年忍者部隊月光』(吉田竜夫/著)のサンコミックス(朝日ソノラマ)や、サンデーコミックス(秋田書店)の『ハリス無段』(梶原一騎/原作 吉田竜夫/画)などが発行されたのですが、昭和五十年頃にはいずれも品切れになり、書店では購入できなくなっていたのです。
アニメ作品でタツノコの絵柄が好きになっていた私は、吉田さんや九里さんの作品を探すのに大変苦労したことを覚えています。小学生の頃、ボロボロになり埃をかぶったサンデーコミックスの『ハリス無段』を貸本屋の店頭で見つけ、無理にお願いして譲ってもらったこともありました。
それ以降も、貸本の単行本や雑誌付録でお二人の作品を探していました。雑誌付録は連載の途中ではありましたが、それでも爽やかな主人公たちの活躍を読めるのが楽しみだったのです。
現在はマンガショップで、『ハリス無段』や『チャンピオン太』(梶原一騎/原作 吉田竜夫/画)、『パイロットA』(吉田竜夫/著)『マッハ三四郎』(久米みのる/原作 吉田竜夫/構成 九里一平/画)などが復刻されています。名作マンガが手軽に入手できるのは、とてもありがたい時代です。
ただ、まだ単行本化されていない作品も多数あるのです。実はその中のひとつ『少年スピード王』(久米みのる/原作 九里一平/画)が、この度同人復刻という形で出版されました。
発行は、これまでも横山光輝作品や、桑田次郎作品、貝塚ひろし作品、そして久松文雄作品などの同人復刻を地道に手がけてきたアップルBOXクリエートです。実は、九里一平さんの作品では、以前に『マッハ三四郎』も復刻していましたが、『ファイター健』(全2巻)というファンの間では人気の高かった未復刻の作品も刊行してくれています。
この『少年スピード王』、『マッハGOGOGO』の三船剛とお父さんの関係を彷彿とさせる、主人公アキラと敏腕技術者の父。可愛いらしい兄思いの妹と、九里さんのペンタッチも冴えています。もちろん、『大空の誓い』と同様、シャープなメカニック描写や迫力の構図、ポーズの決まったアクションシーンなど、見ごたえもばっちりです。
以降も続刊とのことですので、今後も、九里一平さんの作品が復刻で読めることを楽しみにしています。(了)

アップルBOXクリエート刊『少年スピード王』第1巻
まんだらけや、神保町の夢屋書店、新小岩の古書店・誓和堂でも購入できます。
左は当時九里さんの描かれた『少年スピード王』の画稿です。
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