金山明博さんのデビュー単行本『斗魂』
- 2015/10/28
- 06:41
先日、金山明博さんにお会いして、マンガ家デビュー作となった単行本『斗魂』をお見せしてきました。
これは、当時まだ18才だった金山さんが兎月書房に持ち込んで、その場で出版化を決定してもらった記念すべきデビュー作です。奥付に記載はありませんが、1958年(昭和33年)くらいの発行だったそうです。
実は金山さんご自身も既に失くされていて、私も長年探していました。今回機会があり入手出来ましたので、ご覧いただくことが出来ました。
読むのは久しぶりという金山さんは、懐かしそうにページをめくって、「どんな出来だったか覚えていなかったけど、こうして見るとやっぱり恥ずかしいですね」と照れくさそうにお話いただきました。
この原稿は水道橋にあった兎月書房に持ち込んだそうですが、何故か版元は三幸出版社となっています。「兎月書房も、あんまり売れそうにないと思ったんでしょう」とは金山さんの弁です。
金山さんは持ち込んだ頃のことを覚えていて、兎月書房を訪ねると年上の先輩マンガ家の先客がよくいたそうです。その人は「原稿料をもらわないと、帰りの電車賃がないんです」と、困った様子もなく笑いながら話してくれました。その方こそ、誰あろう水木しげるさんだったそうです。
その後、金山さんは兎月書房の『摩天楼』や、セントラル出版の『街』、そして『街別冊1・2・3』などで活躍を始めますが、個人名義で出した単行本はこの『斗魂』と『黒い欲望』(セントラル出版)くらいしかありません。
「それほど、この頃から絵は変わっていないのかなぁ。あまり進歩が無かったということでしょうかね」と苦笑しておられましたが、躍動感溢れるアクションシーンのコマ運びや、飼い犬の生き生きとした描写などは、今見ても充分に魅力的です。
当時、既に金山さんの絵のオリジナルは、出来上がっていたのでしょう。アニメーターになられてからのお仕事ぶりも納得できました。
現在は、アトリエの断舎離を進めながら、絵の準備をされているそうです。実は家庭菜園を始めたり、メダカを飼ったりとそれなりにやることがあって忙しいとも、笑っておられました。
お元気そうな金山さんに、プロの道へ入られる原点となった懐かしい単行本をお見せ出来てよかったです。

金山さんとデビュー作の描き下し単行本『斗魂』

お会いする日の朝、ささっと描き下ろしてくださった最新イラスト。
今にも絵から飛び出しそうなキャラクターの存在感が素敵です
これは、当時まだ18才だった金山さんが兎月書房に持ち込んで、その場で出版化を決定してもらった記念すべきデビュー作です。奥付に記載はありませんが、1958年(昭和33年)くらいの発行だったそうです。
実は金山さんご自身も既に失くされていて、私も長年探していました。今回機会があり入手出来ましたので、ご覧いただくことが出来ました。
読むのは久しぶりという金山さんは、懐かしそうにページをめくって、「どんな出来だったか覚えていなかったけど、こうして見るとやっぱり恥ずかしいですね」と照れくさそうにお話いただきました。
この原稿は水道橋にあった兎月書房に持ち込んだそうですが、何故か版元は三幸出版社となっています。「兎月書房も、あんまり売れそうにないと思ったんでしょう」とは金山さんの弁です。
金山さんは持ち込んだ頃のことを覚えていて、兎月書房を訪ねると年上の先輩マンガ家の先客がよくいたそうです。その人は「原稿料をもらわないと、帰りの電車賃がないんです」と、困った様子もなく笑いながら話してくれました。その方こそ、誰あろう水木しげるさんだったそうです。
その後、金山さんは兎月書房の『摩天楼』や、セントラル出版の『街』、そして『街別冊1・2・3』などで活躍を始めますが、個人名義で出した単行本はこの『斗魂』と『黒い欲望』(セントラル出版)くらいしかありません。
「それほど、この頃から絵は変わっていないのかなぁ。あまり進歩が無かったということでしょうかね」と苦笑しておられましたが、躍動感溢れるアクションシーンのコマ運びや、飼い犬の生き生きとした描写などは、今見ても充分に魅力的です。
当時、既に金山さんの絵のオリジナルは、出来上がっていたのでしょう。アニメーターになられてからのお仕事ぶりも納得できました。
現在は、アトリエの断舎離を進めながら、絵の準備をされているそうです。実は家庭菜園を始めたり、メダカを飼ったりとそれなりにやることがあって忙しいとも、笑っておられました。
お元気そうな金山さんに、プロの道へ入られる原点となった懐かしい単行本をお見せ出来てよかったです。

金山さんとデビュー作の描き下し単行本『斗魂』

お会いする日の朝、ささっと描き下ろしてくださった最新イラスト。
今にも絵から飛び出しそうなキャラクターの存在感が素敵です
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